アメリカでは、4000万人の学生が借金を抱えています。その金額はあわせて1兆ドル(約113兆円)以上。世界金融危機以来、倍増しています。クレジットカード、自動車ローン、ホームエクイティラインオブクレジット(住宅担保ローン)よりも、金額が大きいのです。私が出会った学生の中には、金利11%や12%、さらには13%という高い利子のローンを抱えている人もいました。
これは学生の借金危機です。この問題を私たちは今すぐ解決しなければいけません。若者たちは、家や自動車の購入よりずっと高い利子を支払わねばならないという、信じられない状況に置かれているのです。
教育は、未来への投資です。人を前に進めるためのものなのに、逆の状況になってしまっています。アイオワ州でボーリング場を経営しているブライスは、仕事のために一番かかった費用は、学生ローンだと話してくれました。彼だけではありません。アメリカ中の人に話を聞くと、家を買いたい、大学院に行きたい、結婚したい、引っ越したいという夢を持っていても、学生ローンの支払いがあるため実現できないのです。何十年もローンを支払い続ける将来を考えて、大学への進学を諦めた人もいたでしょう。
学費を抑えて、大学に進学しやすくするだけでは十分ではありません。すでに借金を抱えている人への援助も必要です。次の世代のために、私たちはこの問題を解決しなければいけません。
まず、学生ローンを抱えている人たちが、相場金利のローンに借り換えられるようにすべきです。推定で2500万人が、平均20万ドルほどローンを減らせるでしょう。さらに金利を引き下げて、大学に進学する人たちの負担を減らす必要があります。
私の両親は、私の大学進学のためにずっと節約してくれていました。進学がよりよい未来を築くための大切な方法の1つだとわかっていたからです。ロースクールに進んだ時、私は借金をしました。卒業後は報酬の高い仕事には就きませんでしたが、ビルと私は所得の割合に応じて、学生ローンを返済するプログラムに救われました。この方法をもっと利用しやすくすべきです。この「所得に応じた返済」方法を簡素化し拡大すれば、収入の10%以上を借金返済にあてる必要がなくなります。また、20年間計画通りに支払いを続けた場合、残額を免除すべきです。それに「アメリコー(AmeriCorps:国内の貧困問題に1年間取り組むプログラム)」のような国のプログラムに参加した場合も、借金が全額免除されるようにするべきでしょう。
人々が前に進むのを妨げている「壁」を打ち破るため、そしてチャンスをつかむための「梯子」をかけるために、私たちはできる全てのことをする必要があります。そのための方法の1つが、学生ローンの負担を緩和し、高い教育を受けられるようにすることでしょう。それは、21世紀の経済でアメリカが高い競争力を維持する助けになります。
学生ローンについてのヒラリー・クリントンキャンペーン動画(英語)
ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。
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