日本の家特有の「押入れ」というスペース。結構な収納力があるので便利ですが、ちょっと発想を変えて扉をリメイクしたり、開け放して部屋の一部として考えたりしてみると、まったく新しい使い方ができそうです。
1年365日のうち、300日は"収納"のことを考えて過ごしています。キッチンやデスクまわりの収納は定期的に見直していますが、押入れは放ったらかし。今の家に引っ越して、押入れは以前の3倍に増えましたが、いまだにうまく使いこなせていません。収納がありすぎるのも困ったもので、洋服などが入っている寝室の押入れ以外は「とりあえず」とバンカーズボックスや段ボールを入れたまま......。ボロボロだった襖は、すべて外してカーテン式にしたり、シャビーな木目の壁紙を貼ってみたりもしましたが、なんだかしっくりきません。やっぱりこれはどうにかしたい!
改造のテーマは「ウォークインクローゼットではなく、"押入れ"という限られたスペースだからできること」。ここでご紹介するのはクローゼットの利用例ですが、とても使えそう。これらも参考に、押入れ改造計画、始めてみようと思います。
部屋の一部として考える
扉を開けたときにうれしくなるような色使いや遊び心が詰まったクローゼット。扉の裏にフレームを模したポスターを貼っているのもかわいい。カーペットと同じグリーンの壁にしているので、奥行きが出て部屋が広く感じます。クローゼットがかわいくなると、整理整頓を気をつけるようになったり、おしゃれも楽しくなったりと、いいことづくしです。
好きな壁紙を貼る
自分で気軽にできそうな改造のひとつが、壁紙を貼ること。わが家の押入れも、板壁が古くて見栄えがよくないので、これはすぐにでも真似したい。扉の中なので、部屋で使うには派手に思える柄ものや、カラフルな色の壁紙を選んでもいいですね。
扉をコラージュする
押入れの中ではなく、扉をアレンジするアイデア。真っ白な扉に、ヴィンテージの壁紙やラッピングペーパーをパッチワークのように貼っています。真っ白な壁のなかで、この扉がアクセントに。両扉だとくどい印象になってしまうので、片扉だけに施して。ほかにも、片扉だけカラーペイントしたり、一面に壁紙を貼っても素敵です。
扉をつけ替える
押入れやクローゼットの扉をつけ替えるだけで、部屋の印象がかなり変わります。ステンドグラスつきのアンティークのドアや、古い日本の建具なんかもいいですね。ガラスのはまった扉をつければ、写真のように中をライトで照らすときれいに映ります。
シンプルな無垢材の扉も素敵。どんなテイストの部屋にもなじみますし、時を経るたびに味が出てくるのも楽しめます。押入れの溝に入る厚さの板を襖サイズにカットしてもらって、自分で作ってもいいですね。取っ手を好きなパーツに変えたり、好きなカードをコラージュしたりと、カスタマイズするのも楽しそうです。
オープンシェルフとして使う
写真はバスルームですが、たとえば玄関のそばや、階段の脇に「納戸」のようなスペースがある家は多いと思います。その扉を外して、オープンシェルフにリフォームするのもいいですね。もともと収納として作られているので、たくさんのものが納まりますが、仕切りのない状態での収納は結構頭を使います。それならいっそ、仕切り付きの棚をはめこんで、見た目もかわいく収納すれば、使い勝手のいい収納スペースに。生活感のありすぎるものは、かごに入れるなど工夫するのも大切です。
ベッドルーム代わりにする
日本の漫画で、猫型ロボットが押入れに寝ているのを見てうらやましいと思っていました。日本の押入れは、布団を入れるにはちょっと小さいですが、ゆったりとしたスペースがあるなら、ベッドを入れて寝室のように使うのも手。棚をつけたり、天井にライトを仕込んだり、なんだか秘密基地のようで楽しい。ベッドのような大物家具は、部屋に置くとかなりのスペースを取ってしまいますが、これなら部屋を広々と使えますね。扉を閉めて隠せるのも便利。
デスクとして使う
クローゼットをリフォームして、吊り戸棚とデスクを造り付けにした例。細かな仕切り付きの棚が使いやすそう。扉を取り外しているので、棚のディスプレイもインテリアのうち! 雑貨や写真など、お気に入りのものを飾って楽しめます。
壁面をチョークボードペイントにしたクローゼット改造デスク。ウォールラックやライト、椅子などをすべて白に統一しているので、チョークボードが引き立ちます。バーとS字フックで、筆記用具を収納しているアイディアがナイス! 子ども部屋をこんなふうにしたら、宿題や学校への持ち物をメモしたり、便利に使えそうです。
クローゼットの壁一面にシェルフを置いて、デスクと組み合わせた例。デスクが壁に向いていないので、圧迫感なくデスクワークができそう。クローゼットのスペースが確保できるので、たっぷりと収納できるのも◎。部屋とクローゼットの壁を同色にすることで、広々とした印象になります。
こちらは、クローゼットを2人分のデスクに改造した例です。2人のお子さんがいる人、夫婦でそれぞれのデスクを持ちたい人にぴったり。真ん中に仕切りの壁をつけることで、お互いのプライバシーも保てます。扉はつけたままなので、作業中のごちゃついたデスクを隠せるのもいいですね。
ナチュラルモノトーンの寝室のクローゼットをデスクコーナーにリフォーム。チョークボードペイントを施し、部屋のなかにぽっかりと黒い穴が開いているような不思議な空間に。デスクとして使っていますが、化粧鏡を置いて寝る前のスキンケアルームとして使っても素敵ですね。
(2015年4月27日 Houzz「用途も、使えるスペースもが広がる! 押入れ改造計画」より転載)