身長100cmの私が、再び妊娠したのは2013年1月でした。
前回の妊娠は流産になり、なかなか次を授からなく、2年近くが経っていました。今回は妊娠の自覚の前に、味の好みがいつもと違ってきたのです。普段はあまり食べたくないお肉が無性に食べたくなったり、すっぱいものがとにかくおいしく感じて、ただのピクルスを「こんなにおいしいの、食べたことない!」と絶賛するくらいでした。
生理が来てないことに気づき、検査薬をすることに。陽性です! 前回の流産の時にお世話になった病院を受診しました。
前回の妊娠では確認できなかった心拍も、すぐに見えました。妊娠初期の流産の確率は約6分の1なので、手放しに喜べるわけではないのですが、とても嬉しかったです。
身長100cm、体重20kgの小さな私の体。赤ちゃんがいつまでおなかにいられるかわからないし、どんな問題がおきるかは予測不可能です。まずは妊娠27週、1000gを目標にしました。その時期までおなかで育てられると、医療の力で命が救える可能性が高いからです。もちろん低出生体重児(未熟児)だと、視覚や聴覚をはじめ、発達に問題を抱える可能性は高いですが、命を救うことが一番大切です。
妊娠・出産は、一人ひとり違いますが、私の場合は前例がほとんどないので、医師も私も、どんなリスクが、どれだけ起こるか、なかなか予想できません。妊娠5ヶ月くらいで管理入院になるかもしれません。肺が圧迫されて呼吸が苦しくなるかもしれないし、あばら骨が圧迫されて骨折するかもしれません。
またおなかの赤ちゃんに障害が遺伝している可能性もあります。赤ちゃんがお腹の中で骨折するかもしれないし、帝王切開の手術や、その後のケアにも、慎重にしなければいけません。
不安なこと、予想できないことはいっぱいです。
でも産婦人科の検診、妊婦生活は、私にとっては、とても居心地がいいものでした。なぜなら医師や看護師は私を「障害者」としてみるのではなく、ただの一人の妊婦、言い換えると「女性」として見て、接してくれるからです。
他の妊婦と同じように、私も体重を測り、血液検査をし、エコーで検診し、あかちゃんの状態を見てもらう。私は特別なのではなく、ただの一人の妊婦。今までの私の経験を振り返ると、病院では足の手術の度にほぼ真っ裸で写真を撮られたり、回診という名のもと、大勢の男性医師に体をジロジロみられたりすることばかりでした。
病院だけでなく、普段の生活でも「女性」として見られることは少なく、どうしても「障害者」としての私が目立ってしまう。自分の性を大事にするなんて難しいし、性が尊重されることも、なかなかなかったのです。そんな私にとって、「女性」としての私が大前提にあり、女性であることを肯定され、祝福される産婦人科の検診、妊婦生活は、うれしくもあり、誇らしいことでした。
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