「疲労が出ているのでは?」
現地8日、インディアンス戦に先発し、6回2/3を投げて自己ワーストとなる10安打5失点で、4敗目を喫した田中将大。6回2/3を投げて自己ワーストとなる10安打5失点で4敗目を喫した。
そのため、ここ最近何度か上がっているこの質問がまたしてもメディアから投げかけられた。6月17日のブルージェイズ戦までは11勝1敗、防御率1.99だった田中は、それ以降の4戦で見ると、1勝3敗の防御率4.25。
なおもメジャートップの12勝、リーグ6位の防御率2.51と投手の主だった成績は上位レベルだが、今回の先発は初めてとなる連続の中4日登板。「今季最悪のデキ」と本人が振り返った前回登板に続き、最多失点だっただけに、現地記者もその原因を求めた。(参考:ESPN)
「今回はそれほど悪い感触ではなかった。ストレートは前回よりも走っていた」と田中はやんわり否定。苦しいピッチングとなった理由については「原因は自分ではわかっているけれど、説明するのは難しい」と明言を避けつつも、「打者が適応してきたことが原因にあるのか、制球に問題があったのか?」との問いには「両方そうかもしれません」と通訳を介して答えている。(参考:NewYorkPost)
ジョー・ジラルディ監督は、「これ(不調)が長く続くようなら、懸念事項になるだろうが、投手なら普通は経験すること」としばらく静観するとしたが、New York Timesは、「田中は普通の投手ではない」と指摘しつつ、デビュー当初から違和感なく順応してきた田中にとっては、初めて本当の意味での乱調になるのではないのかとの懸念をあらわにしている(参考:NewYorkTimes)。
一方、ESPNは「田中将大も人間だった」と不調の中での敗戦を伝えたほかに、1968年シーズンに防御率1.12を記録したボブ・ギブソンも2試合で5失点し、1試合で6失点を喫したし、66年に27勝したサンディ・コーファックスもその年低迷していたメッツを相手に1度、2イニングで6失点と炎上した試合もあると、殿堂入りの名投手らを引き合いに出した。
「つまり偉大な投手だってダメな試合はいくつかあるものだ」とフォロー。相手バッターが順応しているデータを比較し、さらに修正が必要としながらも、一時的な不調ではないかとの見解を伝えている。(参考:ESPN)
投手も打者も互いに研究を重ねたうえで戦うメジャーでの凌ぎ合い。より多くの打者と幾度も対戦していくにつれ、これからも絶え間ない修正が求められる。「気持ちよくオースルター戦に行きたい」とマー君。
次回登板は予定通りであれば、初めての中4日での3連続登板となる。後半戦につながるピッチングが見られることに期待したい。
スポカルラボ
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(2014年7月9日「MLBコラム」より転載)