予算総括質問報告の3回目です。
今回の総括質問ではIT関連の質問も多く行いました。今回はその中で特に、世間のニュースとしても注目度が高い「Windows XPサポート終了」に伴う板橋区の対応についての質問をご紹介します。
■ Windows XPは4/8でサポート終了、では「どれ」にアップグレード?
報道などでも知られているとおり、Windows XPのサポート期間はまもなく、4/8で終了します。
サポート期間が終了してもXPが使えなくなるわけではありませんが、セキュリティ・アップデートが提供されなくなり、時間が経つほどにセキュリティリスクが高くなるため、業務で使うPCであれば、遅滞なくOSの更新を行う必要があります。
もちろん板橋区でも多数のPCを使用していますので、板橋区のOS更新はどうなっているかと質問したところ、「Windows 7」への移行を進めているという答弁でした。
ところで、現在のWindowsシリーズで最新のOSは「Windows 8(.1)」です。
やや意地悪な質問をしてみました。
上のグラフは、Windowsシリーズの残りサポート期間の一覧です。
いうまでもなくWindows 8の残りサポート期間が最も長く、Windows 7よりも約3年長いです。
ということは、サポート期間だけ見るなら、Windows 8を採用しないのは税金のムダ使いではないか?という見方もできるわけです。
この点を踏まえて、なぜ8ではなく7にしたのかと質問したところ、業務継続性を確保する必要があるため、という答弁を受けました。
妥当な答えだと思います。
業務で用いるPCに必要とされるのは、新機能や斬新なインターフェースよりむしろ「これまで使っていたとおりに使える」ことであるのは当然ですね。
■ マイクロソフトが業務用PCニーズを無視するなら、デスクトップLinuxへの移行検討を始めるべきでは?
折しも、まもなく開催されるマイクロソフトの開発者会議「BUILD 2014」において、「Windows 9」のリリース計画が発表される見込みとなっています。
Windows 9の詳細はおそらくBUILD 2014でもまだ発表されなさそうですが、その方向性は上記記事や関係者インタビューでもうかがい知れます。
マイクロソフトは「One Windows」戦略を進めており、スマートフォン向けOS「Windows Phone」やタブレット向けOS「Windows RT」を、Windows 9で統合するのではないかと見られています。
しかしそれは、業務用PCに求められる「業務継続性」というニーズに、はたして沿っているのでしょうか。
業務用PCには、スマートフォンOSやタブレットOSとの統合など、まったくといっていいほど求められないでしょう。
逆にそうした新機軸は、「これまで使っていたとおりに使えること」を阻害する可能性すらあります。
もしマイクロソフトが業務用PCのニーズを無視した戦略を取ってくる可能性があるのであれば、板橋区も今から準備しておく必要があるのではないでしょうか。
今後のWindowsが板橋区の業務に合わないものになる可能性に備えて、代替OSとして「デスクトップLinux」を一部の部署で試験導入し、Windows 7のサポート期間約6年間を使ってノウハウを蓄積して、いざとなれば全面移行できるよう準備を進めてはどうか?...という質問をしたわけです。
それに対する答弁は、「Windows 7のサポート期間中に移行を行うことは難しい」というものでした。
6年もあるというのに、さみしい答弁ですねぇ。。。
「OSといえばWindows」という常識も、いつ崩れるかわかりません。
試験導入くらいは取り組むべきだと思うのですが。
皆様の職場では、Windowsはまだ生き残ると思いますか?
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(2014年4月5日「中妻じょうたブログ」より転載)