(TERMINATOR: GENISYS /2015)
大ヒットしたSFアクションシリーズ『ターミネーター』の第5作目。『ターミネーター』(84年)、『ターミネーター2』(91年)、『ターミネーター3』(2003年)、『ターミネーター4』(09年)と続いていた。
ターミネーターといえば、アーノルド・シュワルツェネッガーである。『ターミネーター4』には政治家となっていたために出られなかったが、CGによる出演をした。12年ぶりに本シリーズに復帰した。本作は「リブート(reboot)」である。これは、日本題にも入っているが「再起動」ともいい、シリーズにおける連続性を捨て、新たに一から仕切り直すことを意味する。今回も基本的なストーリーは『ターミネーター』と『ターミネーター2』をベースとしている。
2029年、ロサンゼルスでは人類抵抗軍(人類を救う方)が人工知能による機械軍との戦いに終止符を打とうとしていた。1997年、機械軍による核ミサイルで30億人もの命が奪われた"審判の日"以来の悲願がかなうときが目前に迫る。一方、機械軍は、抵抗軍のリーダーであり、驚異的な力を持つ予言者ことジョン・コナーを生んだ母サラ・コナーを亡き者にすべく、1984年にターミネーターを送り込んだ。しかし、今回はいままでのシリーズとは、ジョン・コナーの役回りが違う。
監督は『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』などのアラン・テイラー。ライバルの新しいターミネーターT-1000には、イ・ビョンホン。
本シリーズはアーノルド・シュワルツェネッガーの出世作である。彼は、1947年4月30日生まれの67歳(元気である)。彼はオーストリア生まれで、68年21歳で渡米した。英語に苦労しながらも、大学とボディビルを両立させ、五回のミスター・ユニバースなどのタイトルを得ている。
映画でも、彼の戦いを描いたボディビルのドキュメンタリー映画 『鋼鉄の男 ''Pumping Iron''』(77年)は、ボディビル(そしてゴールドジム)人気のきっかけとなった。
その後『コナン・ザ・グレート』(82年)、『ターミネーター』(84年)、『プレデター』(87年)、『レッドブル』(88年)、『ツインズ』(88年)、『トータル・リコール』(90年)、『 ターミネーター2』(91年)、『ラスト・アクション・ヒーロー』(93年)、『トゥルーライズ』(94年) 『バットマン & ロビン Mr.フリーズの逆襲』(97年)、 『ターミネーター3』(03年)等に出演。
2003年から2011年にかけてカリフォルニア州知事となった。86年から11年までケネディ元大統領の姪のマリア・シュライヴァーと結婚していた。移民で州知事にまでなったのは彼女の支えもあったと思われる。
その後、映画に復帰し『エクスペンダブルズ』(10年)、『エクスペンダブルズ2』(12年)、『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』(14年)等に出演と続く。
彼は、オーストリア生まれの移民で、大学で勉強しながら、ボディビルで世界一になり、その後、俳優でもスターになった。ケネディの姪と結婚し、政界にも進出した。まさに、アメリカン・ドリームである。
筆者もアメリカには長く住んだが、この「ドリーム(Dream)」という言葉(英語)の意味が、日本におけるそれと違うと思う。日本ではドリームは「夢」という意味になっている。それは「甘い夢」のイメージではないか。しかし、アメリカの「ドリーム」は、本当は「目標」という意味に近い。つまり、アメリカン・ドリームとは「目標を立ててそれを達成すること」の意味である。幸運ではない。まさに、自分で成し遂げていく、イノベーションの国に相応しい。
これと同じように日本における意味がちょっと違うような英語が結構ある。「ハイリスク・ハイリターン(High Risk, High Return」もこれを聞くと、日本人は投資を止める。しかし「リスク」とは、ラテン語では「挑戦」の意味に近い。つまり「すごく頑張ればすごく成果もある」という意味である。また「トライ・アンド・エラー」はそもそも間違っていて、英語では「Trial and Error」であり、本当は「試行錯誤」の意味である。このような英語の通訳が、日本の経済や金融の成長にマイナスの影響を与えてきたかもしれない。
アメリカの成長力は、そもそもアメリカ人が持った「アメリカン・ドリーム」の"力"ではないかと筆者は考えている。
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