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2014年10月28日 18時42分 JST | 更新 2014年12月27日 19時12分 JST

『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』―負のエネルギーを正のエネルギーに変換せよ /宿輪純一のシネマ経済学(63)

(2014/THE EXPENDABLES 3)~Expendableとは「使い捨て」の意味

 本作品は「2014年の東京国際映画祭」上映された作品で、映画評論家が多い会場であったら、やはり大変盛り上がっていた。

 ※東京国際映画祭は以下からご覧ください。 http://2014.tiff-jp.net/ja/

 痛快なアクション巨編(第3弾)であるが、なんといってもキャストがすごい。一世を風靡した、主役を張れるアクションスターばかりである。シルヴェスター・スタローン(68歳)、ジェイソン・ステイサム(47歳)、アントニオ・バンデラス(54歳)、ジェット・リー(51歳)、ウェズリー・スナイプス(52歳)、ドルフ・ラングレン(56歳)、メル・ギブソン(58歳)、ハリソン・フォード(72歳)、そして、アーノルド・シュワルツェネッガー(67歳)というから、本当に凄い。平均が58歳!ハリソン・フォードとメル・ギブソンが初参加。

 シルヴェスター・スタローンは脚本も担当し、そもそも『エクスペンダブルズ』シリーズの声掛け人。監督は、ほぼ無名のパトリック・ヒューズ。

 傭兵部隊エクスペンダブルズが、同部隊の創設者の一人でありながら悪人となった男を相手に壮絶な戦いを繰り広げていく。典型的なアメリカ映画なので、激しい銃撃戦に接近戦、列車の暴走、ビルの破壊といつものパターンが続く、Aクラスの主人公に弾は当たらないので、安心してみていることができ、最終的には主人公サイドが勝つのである。

 傭兵軍団エクスペンダブルズのリーダーのバーニー(シルヴェスター・スタローン)のところに、CIAのドラマー(ハリソン・フォード)が突如訪問し、依頼をする。それは、かつて、エクスペンダブルズを結成したメンバーだったが、ダークサイドに落ちたストーンバンクス(メル・ギブソン)の逮捕だった。世界中、ニューヨーク、モスクワ、ブカレスト、メキシコ、アフリカでガンガン激しい戦いを繰り広げる。

 旧知ということもあり、なぜかストーンバンクス一人に苦戦を強いられ、バーニーは悩むが......。ストレス解消に持って来い、の作品である。

 この映画の題「使い捨て軍団」(筆者訳)からも分かるように、いろいろ嫌なこともあったのであろう。傭兵部隊であり、当然おカネも重要であるが、このシリーズを見ていると、それ以外のモノで動いていることも多い。長い戦友としての友情や、いままでの強い思いがある。

 筆者が個人的に思うのは、人生にはいろいろ嫌なこともあり、いやな奴もいるものである。逆にそんなことはないといえる人もいないはずである。そのときに、一部の映画のように恨みを晴らしまくるというのもいいが、それは映画の中の世界。今までの経験からいうと、その「負のエネルギー(思い)」を自分の目標に向かう「正のエネルギー」に変換することが大事ではないかと思う。

 復讐的なことは、動物的には快感であるが、実生活ではそもそもなかなか困難であるし、考えるだけでストレスが溜まる。筆者は個人的にはそういう「正への転換エネルギー」を自分の活力としてきた。もちろん若い方々にもそのように薦めている。個人のレベルで、簡単にいうと「女の子に振られたら、ストーカーになるのではなく、努力して立派になって見返してやれ」ということである。

 地政学的リスクといわれるが、そのような転換はできないものであろうか。闘争に当てる膨大なエネルギーを経済発展、とくに構造改革に向かわせることはできないのであろうか。これも貴重なエネルギーの無駄遣いに思えて仕方ない。

 筆者もジェット・リーと同い年の51歳であるが、この年配の方々が体を張ったアクションをするのを見ていると、また頑張ろう!という気持ちになった。

「宿輪ゼミ」

 経済学博士・エコノミスト・慶應義塾大学経済学部非常勤講師・映画評論家の宿輪先生が2006年4月から行っているボランティア公開講義。その始まりは東京大学大学院の学生さんがもっと講義を聞きたいとして始めたもの。どなたでも参加でき、分かり易い講義は好評。「日本経済新聞」や「アエラ」の記事にも。この2014年4月2日の第155回のゼミで"9年目"に突入しました。

Facebook経由の活動が中心となっており、以下からご参加下さい。会員は6400人を超えております。https://www.facebook.com/groups/shukuwaseminar/

次回第169回(11月5日水曜日)は、藤巻健史先生の特別講演です。お見逃しなく。