ギリシャが事実上の債務不履行(デフォルト)状態になってしまいましたが、
経済危機が始まったのは5年前の2010年頃です。以来、若者の2人に1人が
失業するなど、経済危機がずっと続いていたのです。
職を失い、希望を失った「ロストジェネレーション」と呼ばれる若者たちの多くは
5年前から海外移住をしたり、本質的な豊かさを求めて田舎に移住しました。
そんなギリシャの「ロストジェネレーション」世代の若者たちを追った
ドキュメンタリー映画を去年公開しました。
主人公たちが移住した先は、ギリシャの離島で世界的に長寿で有名な島、
イカリア島。仕事も、お金も、物もほとんどないこの島で、イカリア人達は
意外にも「死ぬことを忘れる」ほど幸せに暮らしているのです。
100歳以上のおばあちゃんはこう言います。
人生は美しいものよ うまく生きられるならね
人生を楽しめないなら死んだ方がマシよ
欲しいものは手に入らないかもしれないけど、
必要なものが手に入る場所、イカリア島。
幸せ経済社会研究所所長で環境ジャーナリストの枝廣淳子さんは、
映画『ハッピー・リトル・アイランド』を見てこう分析します。
土地が豊かなわけでも、大きな産業があるわけでもない小さな島で、
人々は元気で幸せで長生きするという。その秘密は、日本にもかつて
豊かにあったものであり、いま各地でふたたび見出され、実践が始まって
いるものだった!若者たちの等身大の姿を通して、新しい時代の
懐かしいキーワードを発見できる映画だ。
どこか懐かしく、心が豊かになる場所。
そんな心豊かに暮らせる島にギリシャの若者たちが向かう姿は、
日本でも多くの若者が、本当の豊かさを求めて田舎暮らしをするために
地方に移住していく姿に重なります。
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