ハフィントンポストをご覧の皆様、私は寺社フェス[向源]の代表 友光雅臣(ともみつがしん)です。
去年の末にハフィントンポスト内での連載を開始して以来、供養や除夜の鐘に関しての記事を投稿してきましたが[向源]や私自身に関しての紹介がまだでしたので、向源についての説明と、今年の開催にむけての思いを投稿させていただきます。
まずは、向源というイベントについて。
向源というのは長い歴史の中で革新を続けてきた日本の伝統文化を体験する事で、未来を切り開くヒントを感じてもらうフェスです。ライブやフェス飯、トークショーにプロジェクションマッピングといった"既存のフェス"のコンテンツに加え、寺社フェスならではの体験型のワークショップが100本以上用意されているのが最大の特徴です。
お寺や神社といった宗教施設を会場にしていますが、その目的は布教ではありません。"日本の伝統文化"から遠ざかりがちな若者に、気軽にその本質に触れてもらいたい。そして日々絶え間なく降り注ぐストレスや不安からちょっと抜け出して、坐禅や念仏、書道やいけばなと向き合い、自分が本当にやりたい事、伝えたい想いを再発見する場所......「源」に「向」かう場となりたい。さらにそこから未来へ「向」かっていく「源」となりたい。そんな願いを込めてイベント名をつけ、無数のワークショップにこのコンセプトを貫いています。
震災から半年後、2011年9月に向源は始まりました。1、2年目は私の所属する天台宗常行寺で開催し、3年目は常行寺と近所の真宗正徳寺、臨済宗清徳寺、品川神社の4カ所での同時開催を行いました。そして4年目となる昨年、2014年の開催では浄土宗の本山である芝の増上寺で2000名以上の来場をいただき大成功をおさめる事が出来ました。
この大成功を受けて今年は5月2日〜3日の二日間の開催に挑戦します。そして寺社フェスと名乗るからにはお寺だけでなくお社(神社)との協同開催も計画中です。増上寺から歩いていける距離の神社での面白い体験やトークショーを準備しています。
ゆくゆくはこの超宗教であり超宗派な日本ならではのフェスを、2020年の東京オリンピックに向けて更に拡大していこうと考えています。お寺や神社というと京都や奈良が思いつくかもしれませんが、東京にだって浅草寺や築地本願寺、本門寺、護国寺、寛永寺といった大きなお寺や、明治神宮、神田明神、湯島天神といった大きな神社がたくさんあります。2020年にはこういった寺社に多くの観光客が訪れます。その時に、それぞれの場所でその場所の意味を知り、良さを体験する事が出来る向源というイベントが各国の言語で提供されれば、そこは日本の先進性だけでなく宗教的な多様性と文化的な奥深さを感じてもらう場となります。日本だけでなく、先進国を中心に広がる心の時代へのシフトと、そのシフトへの戸惑いに対する答えを共に探る場となるため、向源は大きく歩んでいきます。