彗星67Pにある酸素分子

酸素分子(O2)は、木星や土星の衛星などの太陽系内の氷天体上で検出されているが、彗星ではこれまで発見されていない。

酸素分子(O)は、木星や土星の衛星などの太陽系内の氷天体上で検出されているが、彗星ではこれまで発見されていない。今回A Bielerたちは、2014年9月から2015年3月の間にロゼッタ探査機搭載のROSINAによってなされた、67P/チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星のコマ内のOの検出とin situ測定について報告している。データは、Oの局在的な存在量が、HO量の1~10%であることを示している。このO/HO比はコマ全体で一貫性があり、太陽からの距離に応じて系統的に変化しないため、彗星形成中に始原的なOが核に取り込まれたことが示唆される。現在の太陽系形成モデルでは、こうしたことが起こるような状況は予測されない。

Nature 526, 7575

2015年10月29日

原著論文:

doi:10.1038/nature15707

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