意思決定のためのウイルス間コミュニケーション

細菌は、シグナル伝達分子の分泌によって集団密度を感知し、それに応じて自己のふるまいを調節している。

細菌は、シグナル伝達分子の分泌によって集団密度を感知し、それに応じて自己のふるまいを調節している。R Sorekたちは今回、この細菌間コミュニケーション系を探索中に、細菌に感染するウイルスであるファージの一部が、同じファージに先に感染した細胞から分泌されたペプチドを感知しており、またこれらのペプチドがファージ遺伝子にコードされているという、興味深い発見をした。こうしたファージは、ペプチドが一定の閾値を超えると、宿主を死滅させる溶菌サイクルから、宿主を死滅させない溶原サイクルへと切り替わる。これは、ウイルス間のコミュニケーション系としては初めての報告である。

Nature541, 7638

2017年1月26日

原著論文:

doi:10.1038/nature21049

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