太陽に接近中の67P/チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星。彗星核の表面から物質が噴き出しているのが見て取れる。
Credit: ESA/Rosetta/NavCam - CC BY-SA IGO 3.0
欧州宇宙機構(ESA)の探査機ロゼッタに搭載された二次イオン質量分析計COSIMAによって、67P/チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の近傍で2万7000個を超える粒子が検出されている。
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そのうちの200個以上の粒子がこれまでに分析されており、こうした粒子のうちKennethとJulietteと名付けられた2つについてさらに行われた化学分析結果が、今回示されている。
その結果から、炭素が非常に大きな高分子化合物中に束縛されていて、炭素質コンドライト隕石に見られる不溶性有機物質に類似した、固体有機物質の存在が明らかになった。
観測された彗星由来の固体の炭素質物質は、隕石由来の不溶性有機物質と同一起源の可能性があるが、彗星に取り込まれる前と後、あるいは前か後でそれほど変質しなかったと著者たちは結論している。
Nature 538, 7623
2016年10月6日
原著論文
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doi:10.1038/nature19320
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