今回、哺乳類の腸において病原体を排除するための新しい機構が報告されている。クオラムセンシングは、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)が腸に定着するために不可欠だが、バチルス(Bacillus)属細菌が分泌するリポペプチドfengycin類によって阻止されることが示された。fengycin類はクオラムセンシング阻害因子として機能し、マウスの腸に黄色ブドウ球菌が定着するのを阻止した。これらの知見は、タイ農村部の住民において、バチルス属細菌が定着している人には黄色ブドウ球菌が定着していない理由の説得力のある説明になると考えられる。さらに、バチルス属細菌は、この日和見病原菌に対するプロバイオティクスとして使用できるかもしれない。プロバイオティクスであるバチルス属細菌が感染を制限できる機構を解明することで、抗生物質に依存しない新しい治療法を開発するための道が開かれる可能性がある。
Nature562, 7728
原著論文:
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doi: 10.1038/s41586-018-0616-y
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