BLOG
2017年12月26日 10時26分 JST | 更新 2017年12月26日 10時26分 JST

病原体の記憶

黄熱ワクチン接種と重水素標識の後に、ヒト体内で長期生存する記憶CD8 T細胞の生成、維持、特徴について調べた。

Scientist Looking into the Microscope
Getty Images
Scientist Looking into the Microscope

記憶細胞は、再感染や、ワクチン接種後の感染を防ぐが、記憶細胞がナイーブT細胞とエフェクターT細胞のどちらに由来するのかは分かっていない。

R Ahmedたちは今回、黄熱ワクチン接種と重水素標識の後に、ヒト体内で長期生存する記憶CD8 T細胞の生成、維持、特徴について調べた。

その結果、長期生存する記憶CD8 T細胞が、感染のエフェクター段階で盛んに分裂する細胞に由来することが示された。

静止状態の記憶細胞はナイーブT細胞の表現型に戻るようだが、エフェクターT細胞に類似した活性型の遺伝子調節パターンを維持していた。

また、R Ahmedたちは別の論文で、エフェクターCD8 T細胞と記憶CD8 T細胞が分化する際のDNAメチル化の変化を調べ、長期生存する記憶細胞がエフェクターT細胞から生じるとするモデルを裏付けている。

Nature552, 7685

原著論文:

Origin and differentiation of human memory CD8 T cells after vaccination

doi:10.1038/nature24633

Effector CD8 T cells dedifferentiate into long-lived memory cells

doi:10.1038/nature25144

【関連記事】

Runx3によるT細胞常在性の調節

Nature552, 7684 

マラリア原虫の免疫逃避

Nature552, 7683 

行動異常の背景となる脳の小領域

Nature549, 7673 

ニューロンによる免疫細胞の調節

Nature549, 7672 

ドーパミンが免疫応答を促進する

Nature547, 7663