老化細胞は、正常な加齢の間にさまざまな組織や器官で次第に増えていくが、このような細胞が健康や寿命に影響を及ぼすのかどうか、及ぼすとすればどのようにして影響するのかは分かっていない。
今回J van Deursenたちは、成体期にたまった老化細胞は寿命に負の影響を与え、複数の器官で年齢に依存する変化を促進することを示している。老化した細胞を取り除くと腫瘍発生が遅くなり、また複数の器官で年齢に関連する機能低下が軽減され、明らかな副作用は見られなかった。
この結果は、老化細胞を取り除く治療が健康寿命を延ばすことができる可能性を示唆している。
Nature530, 7589
2016年2月11日
原著論文:
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doi:10.1038/nature16932
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