kyansapearentsu

上司にとっても、私にとっても、同僚に何も言わないまま、復帰をすることは良くないと考え、ラフな場をもうけて、私の口から話ができるように配慮をしてくれたのである。
「去年の2月、がんの告知を受けました。そのときの気持ちは、『が~ん』ですよ!」
がんであろうがなんであろうが、ワクワクできるんだ。
事業を作ったこともないし、サービスを開発したこともない。まずは、いろいろな人に話を聞くところから始めた。
プレゼンを翌週に控えていたある日、40℃近い高熱が出て、急きょ入院してしまう。
子どももいて、地元には親もいる。仕事やお金......心配は尽きません。でも、がんと闘う人たちをサポートしたい...
仕事に復帰してしばらくは、食事に気をつけることを、徹底していたら、「ステージ4のがん」という深刻な病気とは裏腹に、体は軽いし、仕事もできる。
妻と小学生のこどもを持つ、一般的な37歳男性です。「ステージ4のがん」であることを除いては。
主治医の目の前にいる患者のぼくは、元気だった。テレビの中では、ステージ4の人は、ベッドで死ぬ間際みたいな印象だったのに。
頭が真っ白になったのを覚えている。すべての感情がなくなった感覚。五感が機能しなくなったかのよう――。