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母の虐待が行われた家庭という密室の狂気を知ってほしい。そして、母のような存在を生みだした社会の在り方について考えてほしい。『母を捨てる』を上梓したノンフィクション作家・菅野久美子さんによる寄稿です。
誰もが羨む一等地にある一軒家は、腰のあたりまでごみが堆積し、室内は糞便で溢れていた━━。内閣官房に「孤独・孤立対策担当室」が設置された。しかし現状で言えば、待ったなしだ。
「孤独死する人の多くがセルフネグレクト(自分自身の世話を放棄してしまう)の傾向がある」。そう語るのは、ノンフィクションライターの菅野久美子さんだ。彼女はなぜ、孤独死現場の取材を続けるのか。