最近住まいを取得した人の傾向とは?‐昨今の住宅取得事情(その1):研究員の眼

昨今の住宅取得事情について、一般的な統計を用いて様々な角度から分析した結果を紹介する。

昨今の住宅取得事情について、一般的な統計を用いて様々な角度から分析した結果を紹介する。

初回は最近持ち家を取得した世帯の基本的な傾向を把握する。

1――最近住み替えた世帯

1|最近住み替えた世帯の約3割が持ち家を取得

平成 25 年住生活総合調査(確報)によると、2009 年以降5年間に住み替えた世帯は、世帯全体の 19%である。(図表 1)

住み替え方法別にみると、「新築注文住宅を建築」が11.3%、「中古住宅を購入」が 8.6%、「新築分譲住宅を購入」が 8.2%、「親や子などの住宅を相続・贈与」※1が 4%となっている。

これらを合計すると持ち家を取得して住み替えた世帯は、最近住み替えた世帯全体の 32.1%となる。(図表 2)

2|持ち家取得の主流層は 30~40 歳代

最近持ち家に住み替えた世帯について、家計を主に支える者の年齢別に見ると、「35~39 歳」の割合が 33.2%で最も高く、次いで「40~49 歳」が 26.7%で高くなっている。

これら 30~40 歳代が全体の約 60%を占めており、持ち家取得の主流層と言える。(図表 3)

2――持ち家への住み替え目的

初めて持ち家を取得する層の住み替え目的は子育て

次に、最近持ち家に住み替えた世帯の住み替え目的を見ると、「借家から持ち家」に住み替えた世帯は、「子育て・教育の環境を整える」が 24.6%で最も割合が高く、次いで、「住宅を広くする、部屋を増やす」が 16.8%で高くなっている。

「借家から持ち家」に住み替えた世帯は、多くが初めて持ち家を取得する層で、その多くが子育てを目的に持ち家を取得していることが分かる。

3――持ち家への住み替え費用

30~40 歳代の持ち家の取得費は 2,000~4,000 万円台

30~40 歳代の住み替えに要した費用を見ると、2,000 万円台から 4,000 万円台の割合が高くなっている。

平均は 30~39 歳が約 2,873 万円、40~49 歳が 3,046 万円※2である。比較的若い世帯は、子育てにおいて住まいの果たす役割を重視し、数千万円を投じて積極的に持ち家を取得していると言える。

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※1:親族の世帯と一緒になった場合も含む

※2:取得費 0 円を除く平均値

株式会社ニッセイ基礎研究所

社会研究部 准主任研究員

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