中国の軍事パレードを無視することは、なぜ愚かな間違いなのか

中国は、「抗日戦争」の勝利70周年記念式典を行おうとしている。クライマックスは、3日に予定されている大軍事パレード。今年は、10年ごとに国民の休日に行われている従来の式典とは異なっている。

中国は、北京で大きなファンファーレとともに、「抗日戦争」と「反ファシスト戦争」の勝利70周年記念式典を行おうとしている。この式典のクライマックスは、9月3日に予定されている大軍事パレードだ。今年のパレードは、10年ごとに国民の休日だけに行われている従来の式典とは異なっている。今年は70年前の戦争の残酷さや苦しみ、飢え、流血、そして抵抗の記憶を取り扱うものとなっている。一方、中国当局も、中国の近代化された軍事力を示すことによる国内と国外の反応に関心を示している。

中国の終戦60周年記念式典で北京の天安門で運ばれるミサイル=中国、北京(AP Photo/Vincent Thian)

残念ながら、この式典に対してあまりポジティブな見方をしていない西洋の政治家やメディア支局が存在する。特に、第2次大戦の連合国のリーダーとなった国は、式典に参加するかどうかについて、どっちつかずの姿勢を示している。このパレードに自国の軍を代表して参加することに関し、前向きな返事を返した国はない。

これらの西洋の気まずい反応は、今後の中国の成長のインパクトが現在の世界の政治的、経済的なパターンに大きく影響を及ぼすのではないかという懸念によるものだ。この懸念は、ロシアがクリミアに対する姿勢を変更して軍事行動を行い、ウクライナとの衝突が過熱してからさらに現実味を帯びてきている。西洋の政治家の目には、中国とロシアは全く同盟を組んでいないにもかかわらず、相互依存の関係にあるように見える。

一方、中国と日本、フィリピン間での東シナ海と南シナ海の領有権をめぐる論争は、国際社会でいくらかの誤解を生んでしまっている。さらに、本来は貿易と資源輸入の手段を拡大し、国際社会での義務を果たすことが目的だった中国の空軍および海軍の軍事力を増大させようとする試みは、必然的に周囲の国の神経を逆なでしてしまっている。

もう少し明確に言うと、これらの国の軍事式典に対する姿勢の裏側にある真実は、アメリカは中国を牽制しようとし、ヨーロッパは垣根の上で見ているだけ、そして東南アジアの国々は中国の台頭を恐れるか、もしくは疑っているという構図になっている。

中国の軍事式典に対する西洋諸国の無関心さは、回避されるべき、政策の失態だ。愚かな間違いと思われる可能性すらあるかもしれない。西洋諸国は、70年前の戦争が、どれだけ中国の人々の視野を広げ、外の世界に対する意見を変えた重要な出来事なのかをほとんど理解していないのだ。1840年のアヘン戦争から1941年の第2次世界大戦まで、中国の西洋諸国に対する姿勢は一言で表すことができた。それは「嫌悪」だ。

この嫌悪の感情には、理由がいくつかある。国の外からの植民地主義の恩着せがましさと、脅しに対する抵抗が拡大したことに加え、中国と西洋諸国の文化的な違い、中国が地理的に比較的孤立していること、中国における父系社会の存在、そして元々の世界貿易に対する強情な抵抗が、彼らの中に凶暴で否定的な感情を作ってきたのだ。義和団の乱と八国連合軍の侵攻は、これらの紛争の頂点となるものだ。中国人から見て、西洋人は「西洋の悪魔」というのが当時は一般的だったのだ。

■「日本のファシスト」に対する戦争

「日本のファシスト」たちの侵攻によって始まった戦争では、何百万人もの中国人が殺され、中国は国が無くなるくらいの打撃を受け、その時だれもが他の国との関係に気付くこととなった。中国はアメリカやイギリス、ソ連の手を借りて、中国と世界の国々は大いに分かち合う物があることを痛感することとなった。この戦争の勝利は中国とアメリカ、ヨーロッパ間に信頼と友情の関係をもたらし、その後中国は、アメリカの協力のもとに国を作っていった。

中華人民共和国が成立した後、朝鮮戦争のような遠回りがあったにもかかわらず、中国は戦後の世界の政治的パターン、経済秩序の共通理解にのっとって行動し、その結果、国連での中国代表権を認められることとなった。中国は鄧小平が改革開放政策を立ち上げてから、現在の世界に全ての流儀を統合してきた。

従って、なぜ西洋諸国が、これほど中国が力を注ぎ、感情を見直す素晴らしい機会となるこの記念式典に乗じないのか理解しがたい。連合国と中国がお互いに肩を並べて戦い、その後の勝利で人類のいかなる前進も、他の国との協力無しには成し遂げられないということは分かったはずだ。真の平和と繁栄は、「運命を分かち合ったグローバルコミュニティー」のコンセプトなしでは達成できない。視野の狭い国家主義的な衝動の黙認や、衝突はまた新たな問題を生むだけだ。

鄧小平と中国の指導者たちは、「運命を分かち合ったグローバルコミュニティー」という道を選択した。中国のパレードに対する西洋諸国の憂慮は無用なだけでなく、馬鹿げたものだ。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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