熊本県を中心とする九州地震が発生してから1カ月が経過した5月16日、月刊連合取材班が現地に入り、被災状況や5月4日からスタートしている連合救援ボランティアの活動状況を取材した。復興に向けて着実に動き出しているものの、余震が続き、度重なる揺れと鳴り続く緊急地震速報で、人々のストレスは計り知れない。
そんな厳しい毎日を送っている地元の人々から寄せられたのは、「連合の仲間の"ありがたさ"が身にしみる」という感謝の声と、「まだまだ手が足りない」との支援を求める声だ。
私たちに何ができるのか、そして何をしなければならないのか、お伝えしていきたい。
連合救援ボランティア現地から
実際に現場でボランティア活動を行っている方や現地の方など、現場の声をお届け。
連合ボランティアがお手伝いに入ったお宅にて
山下さんご夫婦を囲んで
「地震直後から避難所へ。しっちゃかめっちゃかになった家の中を夫婦2人で片付けてきましたが、ようやくボランティアさんに来てもらえて、転倒した大きな家具類を運び出してもらいました。連合の方々は良い人ばかりで本当に助かりました」(被災された山下さんより)
熊本市社協からの声
中川奈穂子さん 熊本市社会福祉協議会事務局長
「自分たちも被災し、途方に暮れている中、全国から届く激励の声に勇気をもらい、前を向くことができました。連合にはボランティアセンターを立ち上げた当初から一早く駆けつけ応援していただき、感謝の気持ちでいっぱいです。8月末までボランティアを募集する予定です。どうか息の長いご支援をお願いします」
立花久幸さん 熊本市社会福祉協議会
「ゴールデンウィークを過ぎてからボランティアさんの数が激減しています。そんな中、特に平日に連合が組織としてまとまって入っていただき、とても助かっています」
※立花さんは連合ボランティア派遣団の受け入れを行っているボランティアセンター東区サテライトの担当者。
ボランティアのみなさんから
連合福岡 常任執行委員 豊福明子さん
◆第2陣ボランティアで活動
「第2陣は大型連休明けでボランティアが激減すると報道された中での活動開始でした。報道の通り、ボランティアセンターでは依頼の数に対してボランティアの数が少なく、私たちを心待ちにしていたことは社会福祉協議会の方の『連合さんが頼みの綱』との言葉にも表れています。雷を伴う大雨、打って変わっての晴天で気温28度の中での活動など試練が続きましたが、参加者は皆、被災された方の家を『きれいにして安心して生活ができるように』と一生懸命に活動しました。
私たちの主な仕事は一軒ずつ丁寧に片付けること。依頼主さんから喜ばれ車が見えなくなるまで見送ってくださったとの報告。また依頼主は高齢者も多く、私たちの活動を今か今かと待っていたとの報告。お礼にと飲み物やキャンディなど自分たちの蓄えを分けてくださったとの報告。心が温まる思いを感じることができました。被害にあわれた数千軒の中の少しですが、復興の一助になれたのではと思います」
JR総連 東海林さん(写真中央)、淵上さん(同右)、角地山さん(同左)
◆第3陣ボランティアで活動
「独り暮らしの高齢男性の方のアパートで、ひっくり返ったテレビや物干し、棚の片付けをお手伝いしました。あえて避難せずに家から離れなかったことや、遠くに暮らすお子さんのことなど、話をじっくり聞きながら、できるだけ被災された方の心に寄り添うよう心がけてお手伝いしました」
角地山さんは盛岡のご出身。「東日本大震災の時にボランティアの方々にお世話になったので、いち早く駆けつけなきゃとの思いで手をあげました」
連合沖縄 副事務局長 松田原昌輝さん
◆第1〜2陣ボランティアで活動
「先遣隊として、救援活動が安全を確保しながらスムーズに作業できるよう、ボランティアセンターや連合本部・連合熊本と調整しながら活動しました。作業までの待機時間や、現場までの送迎時間を短縮するなど、さまざまな課題をクリアしました。これは参加者全員が、出身組織や役職等の立場にこだわらず、被災された方々の支援を第一義に考え、協力して成し得たものです。被災された方々が、一日でも早く安心した日常に戻れるよう願っています」
ボランティアセンターに飲み水を寄贈
個人のお宅の片付けをお手伝い
連合熊本会長の声や、連合ボランティアの詳しい活動は「月刊連合6月号」にて紹介。
※こちらの記事は日本労働組合総連合会が企画・編集する「月刊連合 2016年6月号」に掲載された記事をWeb用に編集したものです。