昨年6月に逮捕され、先日一審で無罪判決が出された美濃加茂市長・藤井浩人氏の収賄容疑事件ですが、検察は一審結果を不服として、控訴の方針を固めたとニュースが報じています。
岐阜県美濃加茂市の雨水浄化設備導入をめぐる汚職事件で、名古屋地検は16日、市長の藤井浩人被告(30)を無罪とした一審名古屋地裁判決を不服とし、控訴する方針を固めた。控訴期限は19日。一審で否定された贈賄側供述の信用性が、二審でも争点になるとみられる。
一審は5日の判決で、贈賄を自供した設備会社社長中林正善受刑者(44)の証言を「信用性に疑問がある」と判断。虚偽供述の動機について、別の詐欺事件の処分を軽くするため、捜査機関の関心を他の重大事件に向けようとした可能性を指摘した。
藤井市長は昨年6月に逮捕されたが、現金の授受を一貫して否定。中林受刑者の審理は同地裁の別の裁判官が担当し、贈賄、詐欺罪などで懲役4年が確定した。(時事通信)
裁判官に合理的な疑義が残る、と言わしめた一審の判決を、覆すだけの検察側に新たな証拠を提出することができるのか。記事中にもある通り「信用性に疑問がある」と中林受刑者の証言に対して判断をした一審判決を覆すことが検察はできるのか。
そうでなければ、いたずらに市政を停滞させることになる。事件後、民間企業等と市長は個別で会うことは情報収集目的でも意図的に遠慮してきたというし、今後も恐らく判決確定までは藤井氏が大きな意思決定を行っていくには議会運営も含め、かなりの困難が生じることも予想されるわけで。
その責任は一体誰が取るのか。
控訴を巡っては、美濃加茂市議会が11日、「市政への影響が長期化する」として、懸念を示す声明を発表しています。
仮に無罪判決が確定した場合には、美濃加茂市民が原告となり国家賠償請求ですら選択肢になりうる事態だと考えます。
もちろん判決が確定していない以上断定的なことは言えませんが、前述のとおり新たな、かつ一審判決を覆すだけの新証拠を提起できない控訴であれば、その責任は極めて大きいと言わざるをえないと考えます。
今後の事態の推移を引き続き見守っていきたいと思います。