総工費が2,520億円まで膨れ上がり、何一つ良い話が聞こえて来なくなった新国立競技場問題ですが、石原慎太郎前都知事まで参戦してきて大変な様相を呈しております。
石原慎太郎氏「都民以外の通勤者から月1000円徴収すればよい」財源捻出で新税導入を提唱
都外から越境してくる人に課税するって、それなんて関所??
物理的に関所的なことをするのは(当たり前ですが)不可能なので、これを実現するとすれば都内企業に課税をすることになると思います。
ただでさえ高い法人税を、さらに上げてどうするんでしょうか...。
よもやこんな政策提言を舛添都知事以下、東京都の執行機関が相手にするとは思えませんが、万が一にでも検討に入った際は全力で反対することをお誓い致します。
そして、先月までこの新国立競技場問題の急先鋒であった肝心の舛添知事についても、報道ベースの情報では一転して政府の対応を認める事態となっております。
【新国立競技場】折れた舛添都知事 森喜朗氏がハチミツ渡し「これを食べて、甘くなれ」
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責任の所在が不明確とか、安部総理が政治的決断を下すべきとか、もっともな批判や指摘は出尽くしたところですが、私としてはこの問題の発端&原因は、森喜朗元首相を今のポジションにつけたことにあると思います。
権威ある人物を「重し」として名誉職に据えるのは知恵とも言えるものの、責任の所在が曖昧になりがちな運営体制の中で、彼の「院政」が際立つものになった気がします。
ちなみに森喜朗元首相を東京五輪組織委員会の会長とする人事案に最後まで難色を示していたのが、言わずと知れた猪瀬直樹前知事。
その直後の彼の末路もこの問題の根深さを物語っています。
森元首相も現役時代は一角の政治家だったのかもしれないですけど(?)、残念ながら第一線を退いた人物であり、年齢的にもキャリア的にも20年後・30年後の日本を真に考えた決断は下せないことは明らかです。
第二次大戦中にも例えられる我が国の意思決定体制ですが、長期スパンに渡って将来を考えられる40代・50代のリーダーが出てこないことこそ、我が国の最大の不幸のような気がしてなりません。
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もちろん私は東京五輪開催自体は強く支持しておりますし、国際公約でもある新国立競技場への一定の投資には理解を示すものです。
しかしながらこれほどまでの前提の変化と、世論の高まりに鑑みれば、「時間がないから」とこのままなし崩し的に進んではならないことは明らかです。
「ここは日本だ。決めさえすれば、必ず間に合う。」
他党の国会議員の言葉ですが、名言です。私もその通りだと思います。
東京都の負担額へとボールが回ってくる前でも、国政と連携して適切な政策提言ができるよう、党内でも議論していきたいと思います。
それでは、また明日。
(2015年7月14日「おときた駿公式ブログ」より転載)