ゲイの大学生が、ケンブリッジ大学のLGBTの学生と会ってみてわかった3つのこと

自分自身がオープンリーゲイな大学生あることから、イギリスのLGBTの大学生はどんな生活を送っているのか気になり、ケンブリッジ大学にお邪魔してきました。

世界中から注目を浴びるなか、国民投票でEUから離脱することが決まったイギリス。

ついこの前の6月25日にはロンドンのプライドパレードであるPride in London 2016が行われ、現職警備員が恋人にプロポーズをする動画がTwitterで多くリツイートされていたりと、盛り上がりを見せていました。

そんなイギリスに以前行った際、様々な方面でLGBTに関する活動をされている方にお会いすることができたので、そこで得たものをブログに書いてみようと思います。

LGBTの若者、教育、政治をテーマに勝手に連載しちゃいます

私はオープンリーゲイな大学生で、学生生活を送りつつ、特定非営利活動法人ReBitのスタッフとしてLGBT教育事業などに携わったり、大学からLGBTの理解者、味方であるAlly(アライ)を増やしていくキャンペーン"MEIJI ALLY WEEK"を企画したりしています。

そんなゲイの大学生がイギリスに行って感じたことを「若者」「教育」「政治」の3つの視点から(勝手に)連載していきます!

まず第一回目は「LGBTの若者」

自分自身も大学生であることから、イギリスのLGBTの大学生はどんな生活を送っているのか気になっていました。

そこで、日本でも有名なあの名門大学「ケンブリッジ大学」にお邪魔してきました!

ケンブリッジ大学のLGBTの学生に会ってみてわかった3つのこと

1.学生が大学に物申すことができる

そもそもケンブリッジ大学は31のカレッジからなる集合体で、各カレッジが自治体のような体制をとっています。

各カレッジの学生をまとめる組織としてCUSU(Cambridge University Students' Union)という学生委員会があり、その中のひとつ、CUSU LGBT+はLGBTの学生のための委員会。LGBTをはじめとして、誰もがより通いやすい大学になるよう活動しているそうです。

CUSU LGBT+の代表のサラさんによると、トランスジェンダーのための学内雑誌や、LGBTの基礎知識や学生生活ガイドを掲載したパンフレットを作って新入生全員に配ったり、学生の意見をまとめて実際に学長に伝えて制度を変えたりすることもあるそう。

入学時にそういったパンフレットが貰えるのは、LGBTの学生にとって安心感につながるだろうし、全員に配ることによってLGBTではない人にも情報が共有されているのが良いですね。日本の大学にも広がってほしい!

2.セクシュアリティだけじゃない!LGBTを軸にしたサークルがいくつもある

実際にケンブリッジ大学に通っている日本人のLGBTの学生にも会ってお話を聞くことができました。

ケンブリッジ大学には大小様々なサークルがあり、しかも「LGBT のサークル」だけでなく、例えばLGBTに関する映画を見るとか、アジア系のLGBTの集まりなど、セクシュアリティ×エスニシティ、趣味、アクティビティなどを組み合わせたサークルがいくつもあるそうです。ダイバーシティ豊かだからこそ、自分にあったサークルを見つけられそうですね。

ちなみに、その学生は日本にいたときはセクシュアリティを隠して生活をしていたそう...

ケンブリッジに来てからは、多くのLGBTの学生がセクシュアリティをオープンにしていることを目の当たりにし、自らもオープンにして学生生活を過ごしているそうです。

ただ、アジアにはLGBTが少ないイメージを持たれていることが多いそうで、初対面のときはいわゆるストレートと呼ばれるような、異性愛者だと思われてしまうことが多いということでした。

3.毎週火曜日はLGBT Night Clubが開催!

大学のキャンパスというと、敷地が広くて、芝生があって、校舎がいくつもあって...というイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。実はケンブリッジというのは街の名前で、その街の中にいくつも乱立しているカレッジをまとめてケンブリッジ大学と呼びます。

街なので様々なお店が軒を連ねていますが、その中にはもちろんナイトクラブもあります。ケンブリッジ大学に通う学生も多く訪れるそう。

さらに、あるクラブでは、毎週火曜日がLGBT Night Clubになるそうです!(残念ながらケンブリッジに行った日は火曜日ではなかったので行けませんでした...)

自分らしく学ぶことのできる環境を自分たちで整える

CUSU LGBT+では、定期的なcoffee meetingの他にLGBTの啓発や教育、交流など多岐にわたるイベントも開催しています。

サラさんによると、これから力を入れていきたいことは、外国からのLGBTの留学生のニーズを知り、LGBTの留学生にとっても通いやすい大学にすることだそうです。

ケンブリッジ大学も最初からLGBTフレンドリーな大学だったわけではなく、時間をかけて一歩一歩進んできた経緯があります。

日本のLGBTを取り巻く環境はここ数年でめまぐるしく変化してきました。LGBTも含めた誰もが通いやすい大学にしていくために、大学も少しずつ変化していく必要があるのではないでしょうか。

注目記事