こもたろには2歳上のお姉ちゃんがいます。
こもたろが自閉症だということを受け止め、私の真似をして、療育的な声かけまでしてくれるようになりました。弟のことを可愛がってくれるお姉ちゃん。
そんなお姉ちゃんも、弟に対して戸惑う時期がありました。あれはお姉ちゃんが幼稚園の年長の時だったでしょうか。同じクラスに、仲良くなったお友だちがいました。何度か公園で遊んでいるうちに、こもたろも含めお互いの家を行き来する仲に。
お友だちの家に遊びに行くと、そのお友だちにはこもたろと同い年の弟くんがいました。お友だちと弟くんと一緒に遊んでいるうちに、お姉ちゃんの中で「あれ?」と思うことが増えてきたといいます。
何でこもたろくんはみんなと遊ばないんだろう?どうして、こもたろくんは変なことばかり喋ってるんだろう?
まだまだ赤ちゃんだと思っていた弟。でも同じ年だというお友だちの弟は、自分の弟よりもずっとずっとお兄さんに見えました。
お姉ちゃんが私に聞いてきました。「どうして、こもたろくんは他の子と違うの?」
疑問に思った時が伝え時。そう思った母ちゃんは、お姉ちゃんに、弟のことを伝えました。
「こもたろくんは自閉症という病気なんだ(※本当は病気という分類ではないですが、お姉ちゃんにわかりやすくするためこの表現で伝えました)。お姉ちゃんはお母さんの声が聞こえるね? 何を喋ってるかわかるね? でもこもたろくんには、お姉ちゃんと同じには聞こえてないかもしれない。耳をふさいでいる感じでこもって聞こえてるかもしれないし、すごく大きい声で聞こえてるのかもしれない。」
お姉ちゃん「えーーーー!」
「これを見て、痛い?」
お姉ちゃん「えーっみるだけじゃ痛くないよ~。」
「そうだよね。痛くないよね。でもこもたろくんは、針をみると痛がるんだ。もしかしたら、チクチクってささってる感じがするのかもしれない」
「お姉ちゃんが見たり、聞いたりしていることが、こもたろくんには違うふうに見えたり、聞こえたりしちゃうんだ。それが自閉症なんだ。」
お姉ちゃん「そっかー!こもたろくん、がんばってるんだね。」
当時、お姉ちゃんはまだ年長。あの頃はよく分かってなかったかもしれないけど、伝えてよかったな、と思っています。
そして現在。時には弟に変なことも吹き込んでしまうお姉ちゃんですが(笑)、良き理解者として、日々接してくれています。
~続く。
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