憩いのガーデンが自慢の都会のホテル10選

ここで紹介するホテルはどれも、街にいながらして鳥のさえずりが部屋まで聞こえるような、春の訪れを満喫できるガーデンのある10軒です。

都会のど真ん中で楽しむ素朴な憩いの時間というと、通常は、犬の散歩に出かける機会のある飼い主さんや、公園のパトロールに回る警備員さんだけに許された特権かのように思えることも。でも、旅や出張に出た時ぐらい、ちょっと緑の中で深呼吸する時間を作ってみてもいいのでは。ここで紹介するホテルはどれも、街にいながらして鳥のさえずりが部屋まで聞こえるような、春の訪れを満喫できるガーデンのある10軒です。

国際的な大都市を訪れているのに、買い物や美術館巡りも忘れて、庭でゆっくりしたいと思わせるホテルがあるとしたら、ロンドンはサウスケンジントン地区の一角に佇む、「ナンバー・シックスティーン」に敵うホテルはないでしょう。外の賑やかな騒音もすっと姿を消し、穏やかな噴水の音と新鮮な空気だけが広がるこのガーデンでは、朝食から午後の紅茶、そして夕方のカクテルアワーまで、一日中至極のリラックスタイムが楽しめます。

ロビー階のラウンジエリアはもちろん、複数あるレストランからも、ホテルを囲うようにして造られた庭園が眺められる「ザ・キャピトルホテル東急」。窓から見える庭園の色彩に季節を感じつつ、懐石や鉄板料理で旬の味を口にするなんて、風情があるじゃありませんか。また、特にストレスを感じている時は5階のガーデンスイートにチェックイン。障子の向こうに広がる緑の景色で疲れた心を癒しましょう。

この街には、通り沿いにお洒落なテラス席を用意したホテルやカフェはたくさんあるけれど、夕方のリラックスタイムを満喫するなら「ブルガリ・ホテル」のガーデンカフェへ。ブレラ絵画館の裏手に位置する植物園と隣接したこの空間。元修道院の中庭だったという広々とした緑の眺めで目とハートを、そして1杯、もう1杯とすすむプロセッコやカクテルで喉を贅沢に潤してください。

便利かつ上品なアシャンプラ地区にある、プライベート感たっぷりの「アルマ・バルセロナ」。ここに宿泊したことのある人が口を揃えて賞賛するガーデンは、同じく評価高い館内でのブレックファーストを口に運びつつ、ゆったりとした朝のひと時を過ごすのにぴったり。夕方以降は、タパスを楽しみに来た地元の人たちに紛れて、大人っぽくも活気ある時間をご堪能あれ。

完璧なまでに手入れの行き届いた、5ヘクタールのみずみずしいガーデンに囲まれた老舗「ホテル・ベルエア」。ここは、逸話多いロサンゼルスのホテル群の中でも、グレース・ケリーやエリザベス・テイラー、マリリン・モンローといった伝説的な顔ぶれが訪れた、まさにエデンの園。そしてその花園には今も、白鳥が住み、菜園のハーブや季節の植物が鮮やかに咲き誇っています。

パリでは、納得できる広さのアパルトマンや客室を探すのだって大変。けれどここ「セント・ジェームス」は、ひとつひとつの部屋の間取りもゆったりとした、19世紀の古いお屋敷。凱旋門へと続くフォッシュ通りのすぐそばに佇むこのプライベートガーデン付きのホテルは、パリっ子もいつか一度は泊まってみたいと願う憧れの一軒です。

普段から緑に溢れるエコフレンドリーな街として知られるストックホルムだけれど、その中でも特筆すべき存在がこちら、「スタールマスターガーデン」。王立ハーガ公園の中にある、かつて農家として使われていた建物を改築して出来たこのホテル。素朴ながらシックで、ブルンスヴィーケン湾のほとりという、のどかな立地も魅力。詩心をくすぐるその景色に、思わずポエムでも書いてみたくなるのでは。

サンマルコ広場から運河を挟んだ向かい、ジュデッカと呼ばれる小さな島に所在する「バウアー・パラディオ」は、その立地だけでも、街の人混みから離れた落ち着いた時間を保証してくれます。でもそれだけで満足することなかれ。このホテルの、この街のほかのホテルと一線を画する一番の魅力はなんと言っても、敷地奥に広がる優雅なガーデンです。

人気リゾート地への玄関口となっているわりに、圧倒されんばかりのエネルギーと人混みに溢れるバンコク。だからこそ、出張で訪れる時も、プライベートで訪れる時も、ちょっとした緑の空間で心落ち着かせたいところ。「ラックス・エックスエル」なら、プールに浸かってクールダウンしながら、またはラウンジでカクテルを楽しみつつ、穏やかで都会的なガーデンを眺めることができます。

正確に言うと、ホテル内にガーデンを構えているわけではないけれど、その代わりここでは、通り向かいに広がるグラマシーパークの鍵を、宿泊客だけに貸し出しています。NY州内に3つしかない私有公園のひとつで、通常は公園に面する建物の住人しかアクセスできないこのガーデンに足を踏み入れられるなんて、有料とはいえ、地元の人も羨む特権です。