中国が人民元を切下げました。今日のフィックスは前日に比べて-1.9%低い水準の6.2298でした。
Market Hackでは7月以降、「中国は人民元を大幅に切り下げる」と予想してきました。そのシナリオが、今、始まろうとしているわけです。
中国は過去に4回、大幅な人民元の切下げを行っていますが、今回は一日で大きな水準訂正をするのではなく、市場の価格発見能力に任せてしばらく自然な落ち着きどころを見極める方針に出ることが予想されます。
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その理由はIMFのSDR準備通貨見直しに際して、人民元のレートが人為的に決められている事に対する批判をかわすことによります。
今回の人民元の水準訂正が、今日のレベルで収まるかどうかはわかりません。ただIMFとの文脈から考えると、数日間に渡るフリー・フォールを演出した方が心証が良くなると思います。
その場合、中国と競争関係にある周辺国の通貨は売り圧力を浴びると思います。また新興国通貨全般も敬遠されることが予想されます。
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特にタイとマレーシアは、最近、外貨準備が激減しているので、通貨急落のリスクがあります。
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(2015年8月11日「Market Hack」より転載)