卒業式に年金を

卒業式などで、来賓の祝辞を依頼されることがあります。いよいよ明日から社会に出ていく若者を前にして、年金の話をしています。
Two Japanese girls on their university graduation day. Thay are dressed to kimonos and hakama trousers.
Two Japanese girls on their university graduation day. Thay are dressed to kimonos and hakama trousers.
Samuli Siltanen via Getty Images

卒業式などで、来賓の祝辞を依頼されることがあります。

いよいよ明日から社会に出ていく若者を前にして、年金の話をしています。

きっと、彼らは私ががんばれなどと言わなくてもがんばるでしょうし、人生訓を話しても、たぶん聞き飽きているでしょうから、年金の話をします。

公的年金は、死ぬまでもらえるし、保険料の他に税金が投入されているから、たぶん最も割のいい年金であること、国が破綻する前に保険会社が破綻するだろうから、公的年金は最も安全な年金であること。

しかし、公的年金はこれから削られていくので、将来、プラスアルファの用意をしておくべきこと。

若い人にとって、「時間」が武器であり、少しずつでもよいから将来のために複利で稼いていくこと。

必要なことをやったら、仕事を頑張ること。

彼らにとってみれば、四十年も先の話なので、リアリティがあるかどうかわかりません。

しかし、四十年間、こつこつと投資して、複利で稼ぐのは大切なこと、必要なことだと思います。

確定拠出型の個人年金制度なども少しずつ改善されてきました。

ずっと預金口座に寝かせておいたり、投資信託を短期で買い替えたり、「この株が上がる!」などという記事をみて株でばくちを打ったりしないように、本当は、年金教育、金融教育は高校生のカリキュラムに入れておくべきです。

若い人たちが社会に出たその日から、年金のことを考えられるように、挨拶で触れていきたいと思います。

(2015年3月18日「河野太郎公式ブログ ごまめの歯ぎしり」より転載)

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