テクノロジーの世界で何が起きているかを学ぶいちばん手っ取り早い方法はこのレポートを読むことだ。 KPCBのパートナー、メアリー・ミーカー(Mary Meeker)が今や伝説的となったインターネット・トレンドの年次レポートを発表した。
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これにはインターネットの進化の現状を考える際に不可欠の統計が多数収集されている。ベンチャーキャピタルの動向、スマートフォン普及率、巨大企業の現状、優秀なスタートアップ、その他、メアリー・ミーカーのレポートにはすべてが含まれている。
この記事の末尾に 2016版レポートのスライド全体をエンベッドしておいた。
ハイライトをいくつか拾ってみると―
- 世界のインターネット普及率は対前年比9%増と頭打ち。 世界人口の42%にあたる30億人が利用している。
- スマートフォン普及率の伸びも減速。Androidのシェアは増大するもデバイス単価は下がる
- ビデオ視聴は急成長、SnapchatとFacebook Liveは有望。 ビデオ広告の有効性には疑問符。
- Facebook、WeChatなどメッセージ・サービスは急成長。単純なテキスト・チャットから新たな「ホーム画面」に成長し、自己表現の場となる。コマースも有望。
- アメリカのデジタル広告はさらに成長。GoogleとFacebookで市場の76%を支配。ただしオーディエンスの新メディアへのシフトと比較すると広告主はレガシー・メディアに不相応の支出を続けている。
- ミーカーの予測によれば音声インターフェイスには高い将来性がある。速く、使いやすく、個人別に特化され、ハンズフリー、しかも安い。Android版Google検索の20%はすでに音声。Amazon Echoの販売も増加。ただしiPhoneは減速。
- アメリカの自動車産業は1959年以来縮小を続けてきたが、TeslaとGoogleのおかげで再活性化中。Uber/UberPoolなどの共有経済がメインストリームになるにつれ、自動車所有率は減少。
- 中国のインターネットのトレンドはアメリカより有望。世界の大国のインターネットは引き続き成長中。
- さまざまなインプットデバイスの普及によりデータが次世代のプラットフォームになってきた。これにより非テクノロジー分野の巨大企業がテクノロジー企業を買収し、デジタルにシフトすることによって成長を活性化しようとする動きが目立つ。
2016 Internet Trends Report from Kleiner Perkins Caufield & Byers
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〔メアリー・ミーカーは元モルガン・スタンレーの上級アナリストで、インターネットの動向をまとめた詳細なレポートが高い評価を得るようになった。2010年からはベンチャーキャピタルの名門KPCBのパートナー。TechCrunchでも毎年紹介している。2015年版、2014年版(ハイライト付)〕
[原文へ]
(翻訳:滑川海彦@FacebookGoogle+)
(2016年6月2日 TechCrunch Japan「メアリー・ミーカーが恒例のインターネット・レポートを発表―2016年版のハイライトとスライド完全版」より転載)
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