自分自身とは、いったい何人いるのでしょうか?
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「1人に決まっているよ」と思う人もいることでしょう。
上司の前の自分、部下の前の自分、恋人の前の自分
......なんて数え挙げる人もいるでしょう。
相手によってキャラを使い分けるのが上手なアイツ
......というように、誰かが思い浮かぶ人もいそうですね。
ほかにもいろいろ思う人もいるでしょう。
この答えとは、正直なところどの角度から見るか?
ということによっても変わってくることだと思います。
(枠組、視点、長所短所etc......)
ですがそれでは卑怯ですから、1つ答えを挙げておくことにしましょう。
その答えとは、4人です。
① 私にも、他人にもわかっている自分
② 私は知らないが、他人にはわかっている自分
③ 私にはわかっているけれど、他人には知られていない自分
④ 私も他人もまだ知らない、未知の自分、可能性、潜在能力的な自分
「なぁんだ」と思ったあなた、きっと正解です。
知っている人もいると思いますが、
「ジョハリの窓」で挙げられる自分なんですね。
四人の自分
①「私にも、他人にもわかっている自分」
とは、公開されている自分です。
誰もが知っている長所や短所、性格、振る舞いなど......
もし改善したいことがその中にあるとしても、まわりも自分も気づいていますから、
これまでにも努力したりしていることでしょう。
いつもの自分が取り組んでいることや習慣の結果です。
②「私は知らないが、他人にはわかっている自分」
とは、自分からは見えていない、盲点になっている自分です。
③「私にはわかっているけれど、他人には知られていない自分」
とは、隠したい自分の姿です。相手を選ばずに自己開示することはキケンを伴います。
たいていの人は、自分が信頼できると思った人にだけ
「言いにくいこと」や「秘密」を打ち明けるものです
誰にでもそんなことはあるものですし、
無理に相手に知らせていくメリットとはあまりありません。
④「私も他人もまだ知らない、未知の自分、可能性、潜在能力的な自分」
誰も知りませんから、頑張っても利用のしようがありません。
未来の可能性、将来獲得する能力といえるでしょう。
これはもうそのままですね、世の中で誰も知らない未知の自分です。
他人にはわかっている自分は成長のチャンス
飯野がみなさんに注目して欲しいなと思う自分とは
②の「私は知らないが、他人にはわかっている自分」なんですね。
たとえばあなたにも、こんな経験がありませんか?
「自分で意識していない長所を褒められ、全力で否定したコト」
・買いかぶりだよ!
・勘違いですから
・(カーッと恥ずかしくなって)首を左右に振る
・(手でさえぎるようにして)イヤイヤイヤイヤイヤそんなことないから......
言われ慣れていて自分でも長所だと思う部分とは、
自分でも自覚していますから素直に受け入れやすいものです。
けれども自覚していない、予想外のことを言われると混乱します。
予想通りだったらパニックにはなりません。
予想外の長所とは、自分が思い描いている自分の像からはみ出しています。
それを受け入れると「いままでの自分」と一致しませんから、落ち着きません。
ですから恥ずかしくなったりむずがゆくなったりするので、
否定や抵抗をしてしまうのですね。
でもそれって相手から見えたあなたの一面です。
それは「他人にはわかっている」自分ですよね。
そして「私は知らない」のです。
それを教えてもらうということは、
私の可能性や能力に気づくチャンスだと思うのです。
どういう自分を自覚するのがよいのか
・ぶっきらぼうな( 愛想がない )言い方の自分
・こまめに連絡をする自分
どちらもおなじ人物だとしましょう。
ぶっきらぼうな言い方だったら、
「大雑把そう」「怖い」なんて思ってしまいがちなものです。
でも「ぶっきらぼうな言い方」だからといって、
その人の性格や行動の全てが大雑把で怖いとは限りません。
「こまめな連絡をする」というちょっとした気遣いができることと、
「しゃべりが上手かどうか?」は別のことです。
自分のどの部分を重要な部分として注目するかによって、結果は大きく異なります。
こまめに連絡する部分に注目したら、
「思いやりがある」「優しい」という評価になりそうですよね、きっと。
大雑把で怖そうなだけだったら、こまめに連絡などしないことでしょう。
では、自分自身のことについて、
「ぶっきらぼうな自分」と「こまめな自分」の
どちらを自覚することが自分にとってプラスでしょうか?
どちらの自分だと思うことが、自分自身にエネルギーを与えてくれるのか?
その答えとは、言うまでもないことでしょう。
ぶっきらぼうな自分だと思っていたのに
「こまめに連絡するなんて優しいね」と誰かが言った......
他の人からの思わぬ評価とは、大きなチャンスでもあるのです。
自信を持ったり、勇気づけられたり、新しい可能性を拓いたり......
けれどもそれは「私は知らないが、他人にはわかっている自分」を
「そういうふうにも見えるんだ」「そう感じる人もいるんだ」
と即座に否定せず、柔軟に受け入れられるかどうかにかかっているとも言えるでしょう。
こうした他人の評価とは、何かが一区切りついたときが多いように思います。
プロジェクトの打ち上げ、反省会、忘年会、通知表の通信欄、朝礼や夕礼の一コマ......
ちょっとした心の準備をしておくことが役に立ちそうです。
逆にあなたが「意外とこの人~~」なんてことを誰かに伝えてあげることも、
その人の可能性を拓いたりすることになるかもしれませんね。
ただしそのときは「○○さんて、意外と小心者だね」なんて、
くれぐれも言ってはいけませんよ(笑)
「○○さんは見かけと違って慎重で、繊細な感覚を大事にしてるよね」
などのように、肯定的なものにすることを忘れずにしましょう。
たいていのカウンセラーとは、こうしたその人の「強み」や「長所」を
フィードバックする機会を狙っているものです。
プロの聞き手とおなじように心掛けることで、
あなたの株も上がるかもしれません(笑)
「私は知らないが、他人にはわかっている自分」
を知るということは、大きなチャンスだと思います。
人からそう見える一面とは、自分で自覚していなくても一つの真実なのです。
このようなフィードバックを得られる機会とは決して多くはありませんから、
あなたにとっての成長のチャンスを逃さずに掴みたいものですね。
(2016年09月08日「ボトルボイス」より転載)