お盆の由来
みなさんは、お盆の由来を知っていますか?
ご実家から離れている人は、お盆にご実家に帰って、お墓参りをしたり、
お仏壇の前に、お盆のお飾りをしたり、
「家族揃って、ゆっくり休暇を過ごす日」というような、
習慣になっているように感じますが、いかがでしょう?
お盆を正式に書くと、「盂蘭盆」 読み=うらぼん と書きます。
これは、サンスクリット語でウランバナ(uiiambana)から来ており、
意味としては、「逆さまに吊るされているような大変な苦しみ」
のことを言うそうです。
お釈迦さまは大変な苦行の末、
川を渡る小舟の親子がビワを奏でている音色を聞いた時、
弦(げん)は張り過ぎれば切れてしまうし、緩みすぎては良い音色が出ない。
いい音を奏でるには、張り詰めてはイケナイんだと悟ったと言われています。
その心が、張り詰めて苦行に耐えなければならない事への疑問となり、
施し(ほどこし)を受けてもいいのではないか?
という悟りに辿り付いたと言われています。
そして、苦しんでいるものに施しを与えてもいいという、
施餓鬼(せがき)という教えが生まれたと言われています。
これが日本に渡り、ご先祖様以外の無縁仏さんや供養されない精霊にも、
施してもいい日として、盂蘭盆会(うらぼんえ)として受け継がれていると言われています。
日頃、ご供養を受けることができない飢えた鬼と書いて餓鬼たちに、
施しを与えることによって、自分たちのご先祖様たちが悩みや苦しみから、
救われるとも言われています。
お中元とは命の元の中心に感謝するということ
元々、農耕民族であった日本人は、日本語の中に意味を込めて、
たくさんの知恵を伝えてくれています。
四季についても、
春には稲穂が張るように。
夏には実りが成るように。
秋には豊作を飽きるほど食べて体力を付けて、冬に備えるように。
冬は夫婦で寒さをしのぐ為に抱き合って、魂が増ゆるように。
というように、四季折々に、やるべきことを例えて言葉を作って伝えてくれています。
夏に実って成った作物を、命の元の中心となる父、母に
感謝の気持ちを持って御礼に行くことが、お中元の語源と言われています。
まず、親に感謝の報告をして、家族揃って、
お仏壇やお墓で先祖さんたちに、感謝の気持ちを込めて、
供養をして、先祖さんたち以外にも施しをして、
誰もが満たされた気持ちで、仲良く過ごすのが、
お盆の正しい過ごし方だと思われます。
心の弦(げん)のチューニングをしましょう
お釈迦さまが悟ったときの気持ちを感じて、
自分の心の弦(げん)は張り詰めて切れかかっていないか?
緩みすぎて、良い音色が出ないんじゃないか?
と心の弦(げん)をチューニングしてあげるというのも、大事なことだと思います。
日々、私たちは、気ぜわしく、忙しく、追われるような生活をしています。
お盆休みが取れる方は、ぜひ、ご実家や、先祖さんたちの居る所を訪ねて、
日々、頑張れていることを感謝して、立ち止まって、
心の弦(げん)の状態を確かめてみてください。
ご先祖様たち以外にも、施してあげる気持ちを持って、
お供えをしたり、お経を読んでみてください。
きっと、普段では気付けないことに気が向いていくと思いますよ。
お盆の風習、大事にしていきたいですね。
(2016年08月15日「ボトルボイス」より転載)