第五回一億総活躍国民会議 同一労働同一賃金への道のりは?

一億総活躍国民会議の第五回。今回は、同一労働・同一賃金というテーマがありました。

今回は同一労働同一賃金というテーマがあったのですが、私は専門分野ではないので、発言時間を他の出席者に譲ろうかと思っていたのです。

そこにしんぐるまざあず・ふぉーらむの赤石千衣子さんから「同一労働同一賃金と、安倍首相がおっしゃったそうですね驚きました。ぜひ、ブームでなくしっかり実現したいものです。非正規の賃金が上がれば子どもの貧困も減るのではと思います。一億総活躍ではこの話題を、深めていただければありがたいです」というメッセージをいただきました。

そこから、赤石さんをはじめ、みなさんにご協力いただき、同一労働同一賃金について猛勉強。

以下のようなプレゼン(2分半)をいたしました。

資料にはデータが入っていますが、今回は資料を参照せず、話だけを聞いてもらう形式にしました。どちらが効果的か、どういう表現が政治家の方に届くのか、いつも考えています。

「本日は同一労働同一賃金は、女性、子どもの貧困対策、そして結婚を望む若い世代のための少子化対策になるという観点でお話をさせていただきます。

資料は5ですが、まずはお話を聞いていただければと思います。

契約社員(準社員)として働くシングルマザーAさんのお話をします。

Aさんの時給は現在880円、手取りは12万から13万円。就職して4年ですが、2年後から時給が10円ずつ上がり880円となっています。

仕事は商品管理と事務。朝8:30~5:30まで8時間労働。繁忙期は毎日2、3時間は残業があり、正社員よりも長時間働いているが残業時間はつかないそうです。

商品名とコード番号を覚えていないと仕事にならないので、営業より知識がああり、同じ仕事の妻子がある正社員の男性がいるが、彼のお給料はしらないそうです。

二人の子どもの塾代稼ぎに、昼は会社、夜は居酒屋でバイトのダブルワークをしたこともあります。

他の人の役に立つならということで、職種や地域を公表しないということで、ヒアリングに協力してくれました。

日本のシングルマザーの5割以上が相対的貧困ラインを切っており、彼女たちの貧困がそのまま6人にひとりの子どもの貧困とつながっています。

彼女たちの8割が就労しており、しかし5割が貧困です。就労の5割がパート・アルバイトなどの非正規労働です。

児童扶養手当が32年ぶりに増額となり、この児童扶養手当の増額により、ひとり親家庭の貧困率が54.6%から3%、削減されるそうです。しかし80億円の予算で3%。それだけ厳しい状況だということです。

非正規と正規の賃金格差を是正することは、シングルマザー、子ども、若年女性、高齢女性の貧困問題を解決し、経済的困窮からくる児童虐待を防ぎ、若い男女の結婚や出産の希望に大きく貢献します。

しかし、同一労働同一賃金に明日から変わります・・・となったところで、彼女Aさんのお給料はすぐに上がるでしょうか? 

彼女は同僚の正社員男性の給料を知らないのです。

このヒアリングに協力することも、仕事を失いたくない彼女にとっては一大決心。自分から「同一労働なのだから、賃金を上げてほしい」と会社に要望することができるでしょうか?

やはり格差是正、差別禁止に向けた、政府の強い主導、抜本的な取り組みを検討していただきたいと思います。

検討の例としてご紹介したいのが、女性活躍推進法です。

総理の強いリーダーシップの下、男女差別禁止の枠組みに加えて、女性活躍推進法という、企業に自社の課題分析と数値目標・行動計画の策定・公表を求める枠組みを導入しました。おかげで今、企業が大きく変わり始めています。

この正規、非正期間の賃金格差是正、同一労働同一賃金の導入についても、総理の強いリーダーシップの下、企業の取組を強力に推進する方策をご検討いただきたいと思います。」

(2016年2月24日「白河桃子オフィシャルブログ」より転載)

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