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2015年06月27日 16時58分 JST | 更新 2016年06月25日 18時12分 JST

セミナー「黄海の環境保全と中国における持続可能な水産市場の今」開催報告

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2015年5月28日、WWFは「黄海の環境保全と中国における持続可能な水産市場の今」と題した中国水産セミナーを開催しました。セミナーでは、中国の水産物を取り扱う企業関係者、湿地環境の保全に関心を持つ方々を主な対象に、水産物の生産、加工、流通の現状と、豊かな黄海の生物多様性について話題と情報を提供。今後、水産の生産現場と環境保全の現場で、どのような取り組みと協力が求められるのか、活発な議論が行なわれました。

東アジアをつなぐ海をめぐって

日本にとって、最大の水産物供給元である中国。

そこから輸入される水産物は、アサリやハマグリをはじめ、加工品を含め年間40万トン以上にのぼります。

中国国内での生産量や消費量も年々増加する中、水産資源を今後、「持続可能」な形で保全・生産していくことができるのか。

また、そうした取り組みを通じて、生産の母体である豊かな黄海の自然環境を、どのように保全し、野生生物との共存を図っていくべきなのか。

その大きな課題について、水産物の輸入や販売を手掛ける日本企業の関係者が、最新の情報を得る機会は十分にありません。

そこで、黄海の環境保全に取り組むWWFでは、漁業と自然保護、双方の観点から、情報提供と今後の検討に向けた機会を提供するため、2015年5月28日、東京でセミナー「黄海の環境保全と中国における持続可能な水産市場の今」を開催しました。

セミナー報告

第一部『中国における水産市場の今』

第一部では、中国水産流通加工協会の陳麗純(チェン・リチュン)氏、遼寧省海洋水産科学研究院の冷傳慧(レン・チョアン)博士、WWF中国の李叶青(リ・イェチン)がそれぞれ、中国の水産市場、日本と中国の貿易、持続可能な水産物について、発表を行ないました。

第二部『中国 黄海の生物多様性と漁業』

黄海は、朝鮮半島と中国沿岸に囲まれ、世界有数の大陸棚を有する海です。黄海は、中国に限らず日本にとっても重要な漁業生産の場であり、同時に生物多様性保全の価値が高い海域でもあります。第二部では、瀋陽理工大学の周 海翔(ジョウ・ハイシャン)氏、WWF中国の王 瑩(ワン・イン)、WWFジャパンの安村 茂樹がそれぞれ、黄海干潟の価値と現状、干潟の保全活動、日本と黄海の関わりについて、発表を行いました。

第三部 パネルディスカッション『日中間での持続可能な水産業の推進』

パネルディスカッションでは、これまでの黄海エコリージョンでの生態系管理モデルプロジェクトの次のステップとして、持続可能な水産物の促進という視点での生物多様性保全について、意見を交換しました。

フロアからの質問も交え、どのような日本と中国の協力が可能なのか、日本と中国のマーケットは、それぞれ何を求め、何が克服すべき課題なのかについて、さまざまな意見が出されました。

いま中国では、沿岸地域だけでなく、4000km離れた内陸でも高速道路や冷蔵技術の発達により、国内で生産されている貝類などの海鮮食品への需要が高まってきています。

また、中央政府では、重要海域を抽出し、その保護を進める政策である、エコロジカルレッドラインの制定作業が進んでいます。

しかし、鴨緑江河口湿地を含め、泥質干潟が含まれておらず、再設定の必要性が今年の全人代でも指摘されたことも紹介されました。

このように、中国近海では乱獲が進み、埋め立てや干拓による、沿岸湿地の喪失と生物多様性の減少も深刻であるなど、課題が多く存在しています。

そうした問題に取り組むひとつとして、WWFは、黄海エコリージョンにおいて、さまざまなステークホルダーに参加いただき、持続可能な水産物促進を通じた生物多様性保全モデルを成功させたいと考えています。

各発表の詳細はこちらからご覧いただけます

(WWFのウェブサイト)セミナー「黄海の環境保全と中国における持続可能な水産市場の今」開催報告

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