NHKと在京民放5社のテレビ電波送信が31日午前9時、東京タワー(東京都港区)から東京スカイツリー(同墨田区)に切り替えられた。50年以上にわたって、テレビやラジオの電波を送り続けた東京タワー。東京の新名所としても人気を集める東京スカイツリーにその役割をバトンタッチし、今後は予備電波塔として利用されるという。
東京タワーは1958(昭和33)年に営業を開始。翌59(昭和34)年から関東地方の世帯に向けて電波送信を行ってきた。
そもそも、なぜ東京スカイツリーへの移行が必要になったのか。
東京スカイツリー移行推進センターによると、都心部で200メートルを超える高層ビルが増えたことにより、受信環境が悪化。関東広域で安定的な受信環境を確保をするため、東京タワー(333メートル)から東京スカイツリー(634メートル)に移転することになったという。
時事通信は移転の経緯を次のように報じている。
各社は当初、今年1月ごろの移転を目指したが、電波が強くなり過ぎるなどで受信障害が頻発することが判明。昨年12月以降、試験放送と対策工事を繰り返し、おおむね対応が完了したとしている。29日時点の受信障害の件数は累計で約12万5000件
(時事ドットコム 2013/05/31 09:12)
東京の夜景を彩るライトアップは東京タワーの目玉の一つ。その光には様々なメッセージが込められてきた。
電波塔の主役としての「最後の夜」の30日は、五輪カラーにライトアップされた。
朝日新聞デジタルは次のように伝えている。
主要な電波塔として「最後の夜」となった30日は、開催都市決定を100日後に控えた2020年夏季五輪の招致イベントがあった。青、黒、緑、赤、黄の五輪カラーのライトがともされ、5色の風船2020個が空に放たれた。
(朝日新聞デジタル 2013/5/31 1:15)
同じ日、ロシアで開かれたスポーツの国際会議では2020年夏季五輪招致を目指す東京など3都市がプレゼンテーションをした。9月の開催地決定に向け、招致レースが本格化する。
ちなみに、東京タワー、世界の有名なタワーが終結する世界大タワー連盟に加盟しているという。フランス・パリのエッフェル塔(324メートル)やアラブ首長国連邦・ドバイのブルジュ・リーファ(828メートル)、アメリカ・ニューヨークのエンパイアーステイトビル(443メートル)から、スロバキア・プラチスラバのUFOタワー(95メートル)まで、東京タワーのホームページで個性豊かな加盟タワーが紹介されている。
移行にともなって、テレビが映らない、画像が乱れる、画像が止まるなどの障害がある場合は、東京スカイツリー受信相談コールセンター(0570-01-5150)まで。
東京タワーの歴史を振り返るスライドショーもお楽しみください。