「法人税が減り、個人の税負担が増加」がよくわかるグラフ:米国

上のグラフでベージュ色で示されている部分は、米国の歳入全体に占める法人税の割合だ。徐々に小さくなっていることがわかるだろう。一方、このベージュ色を飲み込む勢いで拡大しているのはオリーブグリーン色に塗られた部分だ。これは、歳入全体に占める給与税(payroll taxes:給与を計算基礎にした連邦税で,社会保障のために用いられる)の割合だ。

上のグラフでベージュ色で示されている部分は、米国の歳入全体に占める法人税の割合だ。徐々に小さくなっていることがわかるだろう。一方、このベージュ色を飲み込む勢いで拡大しているのはオリーブグリーン色に塗られた部分だ。これは、歳入全体に占める給与税(payroll taxes:給与を計算基礎にした連邦税で,社会保障のために用いられる)の割合だ。

このグラフからは、過去数十年間で法人税の率が大幅に減り、それを補うために個人の税金負担が増えていることが見て取れる。

連邦政府の歳入全体に占める給与税の割合は現在35%となっており、1950年と比べると11%上昇している。一方、現在の法人税が歳入全体に占める割合は10%未満であり、1950年から26%程度減少している(これらの数値には個人所得税は含まれていない。現在の税収合計に占める個人所得税の割合は46%で、60年前とほぼ同じになっている)。

ただしこのグラフには、「一般には雇用主が、国に徴収される給与税の半分を負担している」という事実が反映されていない。グラフ中の給与税の半分を企業が負担したと仮定すると、米国の個人が負担する税の合計は、歳入合計の63%となる。とはいえこの数値は、1950年と比べると約45%も増加している。

一方、連邦歳入に対する企業の負担の割合は、雇用主による給与税の支払いを含めても17%程度となっており、1950年から32%減少している。雇用主が給与税を負担することで「税法の不公平さ」がわずかに解消されているとはいえ、企業からの税収入が過去と比べて大きく減っているという傾向は明らかだ。

このグラフはもともと、上院常設調査小委員会が法人税回避に関して2012年9月に提出した報告書(PDFファイル)に掲載されたものだ。オリジナルは、民間研究団体「Tax Policy Center」(税政センター)による、政府の収入源に関する報告書に掲載されている。5月21日(米国時間)にApple社のティム・クックCEOが同小委員会で証言するにあたって、「Business Insider」のウォルター・ヒッキー氏がこのグラフを記事のなかで紹介した。

クック氏は小委員会において、Apple社がオフショアで保有する1020億ドルについて、租税回避のためではなく、昔から使われてきた方法にすぎないと反論した。公聴会の最後には、ランド・ポール上院議員(ケンタッキー州・共和党)がApple社に対する議会の謝罪を要求し、ジョン・マケイン上院議員(アリゾナ州、共和党)も、自身の使用するiPhoneアプリのアップデートの頻度について嫌味を言うだけに留めた。

ある意味、ランド・ポール上院議員は正しいとも言える。クック氏が証言したように、Apple社は法律を遵守しており、法で許されていることに対して腹を立てるべきではない。怒りをぶつけるべきなのは、Apple社や他の企業に対して、オフショア資産として何十億ドルも保有することを許している法律だ。それだけの資金から税が徴収することができれば、米国が抱える失業やインフラ問題の手助けになるはずだ。

さらに腹立たしいのは、クック氏やほかの企業のリーダーが強く主張する「法人税改革」が、実は現在よりも企業の税金負担を軽くするものということだ。

画像ギャラリー:米国経済が回復したとは言えないデータ

[Mark Gongloff 日本語版:兵藤説子、合原弘子/ガリレオ]

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