北朝鮮、米国に「無条件対話」要請 強気の理由とは?
16日、北朝鮮は米国に対し、高官級協議を提案した。国営朝鮮中央通信を通じたもので、「朝鮮半島の緊張を緩和し、地域の平和と安全を達成するため」としている。
北朝鮮は、自ら無効を宣言していた朝鮮戦争の休戦条約について、それに置き換わる恒久的な平和条約を提唱した。
また、北朝鮮は核廃絶が議題に含まれてよいと認めているが、米国の核脅威もまた完全に消えることが必須であるとしている。「他者が認めようと認めまいと動揺することなく、核保有国としての正当な状態を維持する」と声明した。
【狼少年を疑う米国】
北朝鮮は先週、共同工業団地再開などについての韓国との対話を、代表団の階級についての不満を訴えてキャンセルしたばかりだった。
また米国とも、2012年2月、食糧24万トンの援助と引き換えに核開発を停止する合意を結んだが、同年4月に長距離ロケット発射実験を行った事で合意は破綻した。
さらに、今年に入って米国への核攻撃を脅すに至って、米国は北朝鮮が核廃絶の姿勢を見せない限り対話には応じないと、態度を硬化させていた。
それに対し、北朝鮮は今回、「米国が本当に『核兵器のない世界』を実現し、緊張緩和をもたらそうと望んでいるならば、機会を逃さず積極的に、北朝鮮の大胆な決断と善意に応えるべきである」などと声明。半島の緊張緩和努力に忠実たろうとするなら、米国は前提条件を課すべきではない、と主張した。
米国家安全保障会議のヘイデン報道官は、米国には常時対話の用意があるが、そのためには「国連安保理決議の遵守や最終的な非核化という結果を含め、北朝鮮が世界への義務に応える形で関与する必要があります」と改めて表明した。
今週、北朝鮮について日本や韓国と協議を予定しているデビース北朝鮮特使も、前日すでに「米国は、単なる交渉のために交渉には従事しないでしょう」と述べている。
【北朝鮮の意図】
ニューヨーク・タイムズ紙は、今月オバマ大統領と中国の習近平国家主席が会談し、北朝鮮への圧力をともに強めようとしていることへの対抗策であるという、アナリストの見方を伝えた。
また韓国の北朝鮮専門家は、北朝鮮は韓国の頭越しに米国と直談判することで、脅しをかけているのだと述べている。
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