荒れ狂う空を眺めることほど、自分が本当はいかに小さくて無力な存在であるかを強く実感させる経験はない。近所で本物の嵐が吹き荒れることなどないという人には、ミッチ・ドブロウナー氏の驚くほど美しい写真を見て、そういう衝撃的な感覚を味わってほしい。
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デジタル暗室技術で作成されたドブロウナー氏の写真は、人間の理解を超える壮大さと力を捉えている。
その大きさを測ることも、言葉で説明することも不可能な、まるで生きた獣のような空が、ドブロウナー氏がとらえた高くそびえる雲の画像の、前景にも背景にも広がっている。わたしたちはただそれを見つめることしかできない。
ドブロウナー氏はこう述べている。「『質の高い』写真を撮れたら、必ずわかる。そういう時は、世界は静寂に満ち、物事がシンプルに思えてくる。そして私は、言葉では言い表せない世界に対して畏敬の念を覚える。私の場合そういう瞬間は、外部環境と自分の内面世界が一体化したときに訪れる」
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鋭い観察眼を持つドブロウナー氏のレンズを通すと、竜巻の渦や嵐の雲や雷の稲妻が、この世の物とは思えないほどの力を得る。それは、天空を描いたルネサンス時代の絵画から発せられる荘厳さを私たちに思い起こさせる。ドブロウナー氏の作品に神への言及はないが、同氏は確かに、私たちの頭上で異次元の計り知れない力が働いていることを教えてくれる(文末に、同氏が撮影する時の様子をとらえた動画を掲載)。
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ドブロウナー氏の写真展「ハリケーン」は、9月7日から10月26日までロサンゼルスのコペイキン・ギャラリーで開催される。
[(English) 日本語版:松田貴美子/ガリレオ]