10月28日、自民党の小池百合子元防衛相が、首相の1日の行動を報道する「首相動静」について、「国民の『知る権利』を超えているのでは」と衆議院国家安全特別委員会で発言した。
この発言について、菅義偉官房長官と新藤義孝総務相は危機管理上問題ないと答えている。
菅義偉官房長官はその後の記者会見で、「各社が取材して公になっている首相の動向なので、特定秘密保護法が想定する特定秘密の要件にはあたらない」と説明。問題にはならないとの考えを示した。
(朝日新聞デジタル「「首相動静」は特定秘密? 小池元防衛相「知る権利超える」」より 2013/10/29 05:00)
新藤氏も29日、「危機管理上の問題は、これまでも十二分に配慮されている」との考えを示した。
(朝日新聞デジタル「首相動静、総務相も「対象外」 秘密保護法」より 2013/10/29)
「ニュースの教科書」では、小池氏に別の狙いがあることを示唆している。
首相官邸には首相動静に載らないよう、首相とのウラ面会をアレンジすることで、上手く立ち回っているような人物もいるし、首相動静にあえて載るように、わざとらしく面会に来る人もいる。また新聞記者に面会を報道させない代わりにバーターで別な情報をもらうという取引も存在する。首相動静を海外の政府が悪用しているというなら、あえてニセの情報を動静に載せ、諸外国の動きを探ることもできるわけで、防衛大臣だった小池氏がそのことを知らないはずはない。
(ニュースの教科書「首相動静は「知る権利を超えている」という小池元防衛相の発言は典型的インテリジェンス」より 2013/10/30)
ハフポスト日本版に寄せられたコメントも、「重要な情報」として公開に問題ないとする意見が多い。
公開を問題なしとする意見
会見する相手で、今総理が政治的に実際にどの方面に力を入れているか傾向がわかるという意味では、大事な情報であると思います。
”何処で散髪した”なんてのはどうでもいいと思うが、”誰とゴルフした”のかは、後々便宜供与に当たらないか?という判断されないためにも、必要な”知る権利”じゃないの?
自ら志して座した総理大臣の位置だもの、やはり公人として、国民の眼に晒されるのも覚悟と自覚は必要でしょう=絶大な”力”を持っているのだから。
大手新聞社の“総理番”の仕事かどうかは判らないけど、前もって知らせる訳でもなく、それを報じることに何ら問題を感じない。むしろ、例えば、米国から来日中の誰それと会ったとか、どこぞの大学教授が尋ねてきたとか、又はどこぞのマスコミの政治部長を集めてどこぞの料亭で2時間半ほど会食など、後々知っておいて良かったと思う情報などもあり、我が国トップの公人の動静情報は必要にして当然の如くオープンにすべき。特定秘密と絡める辺りはこの法案の怪しさを浮き彫りにしている。
以前、誰だったか忘れたが、首相動静には全てが載っている訳ではないと言っていた。
だいたい、記者から見える範囲でのことであって見えないところで何が起きているなんてわからない。
数行で書ききれるほどのスカスカなスケジュールではないのだから。
首相の居場所が分かれば暗殺もしやすくなるとあるが、昨日の居場所でどうやって暗殺するのか疑問に思う。
公務でかつ過去の出来事なら公開すればいいと思う。
どこかにでかければ、税金からSPとか公用車のお金が出ているから、それをきちんとチェックできなくなるのは心配。
公人のトップの人間の行動を知る権利を国民が持つのは当たり前。
政治献金が何に使われていたのかを知ることで、政治家の活動内容を知る権利を持つのと同様。
そもそも、報道自体が政府によってコントロールが可能なのでは、という意見もある。
“首相静動ですが、内閣官房参与の飯島薫さんの著書によると、いくらでも誤魔化せるとかいてありました。
だいたい官邸内だとカメラからの情報だとか、入り口がたくさんあるホテルのレストランに入って厨房通って別の部屋でどっかの誰かと会って話して2時間くらいで元のレストランの入り口から出ていくとか、そんな話がいっぱいあったと思います。
ですので、首相静動で誰と会ったかとか、何をしようとしているかとかってのを完全に把握するのは難しいし、逆に情報コントロールも可能だとかって書いてあったように記憶しています。
「首相動静」報道は不必要という意見も
個人的には、首相の政治活動に関わらない行動を報道すること自体、価値がないように思えます。
過去の動きから、今後の動きが予想されてしまえば、テロリスト・工作員垂涎の情報だ。
爆発とか起これば、被害は首相1人では済まず、多くの一般市民も巻き添えを食う可能性が高い。
首相はSPに護られて無傷で、被害は無防備な一般市民だけ、という事も十分考えられる。
国民の安全を守るという意味からも、程々にすべきだ。
確かに、こんなに事細かく何時何分にどこで散髪したということまで報道されたのでは、首相の暗殺も安易なことになってしまいます。
このような大変な時期に日本をリードしてくれる首相、ある程度信じて身動きがとりやすくするのも、国民の義務だと思います。
大きな仕事を成し遂げようとする人物の動静を事細かく監視しようとする姿勢に矛盾を感じる。今は安部さんを信じて支えることが得策と思う。結局これが慣習になればプログラム通りに動くロボットのような首相が誕生することになるかもしれない。
総理のリスク、そしてそれが日本へのリスクへつながる事もあると考えられる場合、一国民としては、どこで食事したとか、誰と会合したとか知るより、優先すべき事は、優先して欲しいと思います。
※引き続き、みなさんの声をお聞かせください。
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