航空手荷物の忘れ物を集めて売る巨大な店がアラバマにある

アラバマ州には、「航空手荷物の忘れ物」を集めて販売する店「Unclaimed Baggage Center」(クレームされなかった手荷物のセンター:通称UBC)がある。
Unclaimed Baggage Center

アラバマ州には、「航空手荷物の忘れ物」を集めて販売する店「Unclaimed Baggage Center」(クレームされなかった手荷物のセンター:通称UBC)がある。

その売り場面積は巨大で、広さは3800平方メートルほどもある。あらゆる商品が売られており、しかも価格は一般のリサイクルショップ並みで、新品の市場価格よりお得だ。

「女性用タンクトップ売り場」と「女性用ドレス売り場」の間には、珍しい物品を展示する博物館まである(リンク先は、英文PDFの売り場マップ)。

1.紛失した航空手荷物の中身を販売するセンターは実在する

正確には、アメリカ南部のアラバマ州スコッツボロにある。

2.設立者はドイルという名の男性だ。

ドイル・オーウェン氏が1970年、300ドルを借金してワシントンD.C.に向かい、大量の航空紛失手荷物を買い入れたのがはじまりだ。まもなく同氏は仕事を辞め、手荷物販売業に専念するようになった。

3.1日に1回、一風変わったイベントがある

毎日午後2時30分になると、来店客1名に航空手荷物を1つ開けてもらい、入っているものを公開する。

4.年間来店客数は驚くほど多い

UBCはアラバマ州でも人気観光地のひとつで、年間100万人近くが訪れているという。

5.予想を上回る従業員数

UBCには通常、140名の従業員がいる。

6.「紛失手荷物」と認定されるまでには時間がかかる

航空会社は、90日間もかけて荷物の持ち主を探す。それでも見つからない場合に、その荷物をUBCが買い取っている。

7.想像を絶する手荷物の中身

自動車エンジン、ヘラジカの角、甲冑(かっちゅう)一式、高さおよそ180センチメートルの張り子のティンカーベルなど、変わった手荷物が大量にある。

奇想天外な品物(上の写真にある、映画「ラビリンス」に登場した人形など)は、UBC内に併設された博物館に展示されている。

8.悲しい紛失物もある

遺灰の入った骨壷が届くこともある。機内持ち込み荷物には通常、タグをつけないので、持ち主を見つけることは不可能に近い。

9.趣味の悪いものや、迷惑な紛失物もある

どうやら、チーズだの、真空パックされたカエルやアルマジロだのをスーツケースいっぱいに詰めて旅する人がいるらしい。もちろん、チーズとカエルが一緒に入っていたわけではない。

10.驚くような高級品もある

届いた順に紹介すると、5.8カラットの一粒ダイヤモンド指輪、動物の皮と骨でできた木琴、そして、NASA所有のトレーニング用水中カメラ。最後の品はすぐに返品された。

11.一番の売れ筋商品は

ダイヤモンドの指輪が登場することはめったになく、客の大半は、旅行の際によく持ち歩く衣類や電化製品、本や日用品を購入する。

12.もともとの持ち主に、商品を売ったことがある

ある男性は、妻が2年前にスキー旅行に出かけた際に紛失したスキーブーツを、知らず知らずのうちにUBCで購入していた。夫が買ってきたブーツを見た妻が、見覚えがあると思って内部を確認したところ、旧姓が書かれてあるのを見つけたのだ!

13.買い入れたものすべてを販売できるわけではない

(先ほど紹介したチーズが詰まった荷物など、)状態の悪い一部の品や、「家族連れの来店客」にふさわしくないものなどは処分される。

14.というわけで、かなり多くの品物が寄付されている

UBCは営利目的のビジネスだが、買い入れた品物の3分の1は、福祉や教育活動を行なうキリスト教団体「救世軍」や、失明対策を行なうライオンズクラブ国際財団の視力ファースト・プログラム、医療使節団、ならびにスコッツボロの地元チャリティー団体数カ所に寄付されている。

15.残念ながら答えてもらえなかった質問

年間に買い入れる忘れ物スーツケースの数は教えてくれなかったが、きっとかなりの数にのぼるはずだ。

[Carly Ledbetter(English) 日本語版:遠藤康子/ガリレオ]

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