北朝鮮、拉致再調査は「まだ初期段階にある」報告時期示さず

菅官房長官は、拉致被害者の再調査について北朝鮮側から「現在はまだ初期段階にある。現時点でこの段階を超えた説明を行うことはできない」と連絡があったことを明らかにした
時事通信社

菅義偉官房長官は9月19日の記者会見で、日本人拉致被害者らの再調査について北朝鮮側から「調査は全体で1年程度を目標としており、現在はまだ初期段階にある。現時点でこの段階を超えた説明を行うことはできない」との連絡があったことを明らかにした。北朝鮮は初回の報告時期を「夏の終わりから秋の初め」としてきたが、ずれ込む見通しとなった。朝日新聞デジタルなどが報じた。

菅氏は、初回報告の時期を「現時点では未定」としたうえで、「調査の現状について、さらに詳細な説明を早期に受ける必要がある」と語った。北京の大使館ルートを通じて、北朝鮮側に早急な報告を求める考えだ。

日朝両政府は、5月にスウェーデンで開いた政府間協議で日本人拉致被害者らの再調査について合意。北朝鮮は7月上旬に「特別調査委員会」を立ち上げ、調査を始めた。

(朝日新聞デジタル『北朝鮮、拉致再調査の報告時期示さず「まだ初期段階」』2014/09/19 13:06)

これに関して、安倍晋三首相は19日、東京都内での講演で「中身のないものを報告してもらっても仕方ない。しっかりと確実な報告をしてもらいたいというのが我々の要求だ」と話したという。

毎日新聞は、北朝鮮が報告に慎重になっているのは、拉致問題で大きな成果が見つかっていないことが背景にあるのではないかと指摘している。

政府筋は「拉致問題の進展に対する日本国内の期待感が高くなりすぎ、北朝鮮は引いている」と打ち明ける。

関係者によると、北朝鮮は今月、戦後に北朝鮮へ渡った日本人妻など拉致被害者以外の調査も進めているとし、「日本側はすべての調査に対応できる、専門家などによる新たな組織を作るべきだ」と求めた。拉致以外の調査で成果を出し制裁解除などにつなげる狙いがあり、日本側が拉致調査のみに着目しないよう求めたとみられる。

(毎日新聞『拉致被害:調査報告に日本の期待「北朝鮮は引いている」』より 2014/09/20 05:00)

外務省の幹部は「『初期段階』ということばの意味を確認する必要がある」と話した。政府は、北朝鮮側との協議の場を設けるため調整を急ぐとしているという。

外務省の幹部は、「調査の状況がどうなっているか北朝鮮側から何も知らされておらず、『初期段階』ということばの意味を確認する必要がある」と述べました。

政府は、調査の進捗状況などについて、北朝鮮の担当者から、直接、詳細な説明を受ける必要があるとして、北朝鮮側と協議の場を設けるための調整を急ぐことにしています。また、政府は、北朝鮮側が「調査を誠実に進めている」としていることから、日本独自の制裁措置は一部解除した状態を当面、維持し、調査の進展を促すことにしています。

(NHKニュース『拉致被害者らの調査 「詳細な説明必要」』より 2014/09/20 05:46)

■横田早紀江さん「粘り強く対応してほしい」

日本人拉致被害者の再調査をめぐり、北朝鮮から「調査はまだ初期段階」という連絡があったことについて、19日の夕方、拉致被害者の家族たちは、東京・永田町の内閣府で山谷えり子拉致問題担当相らに説明を受けた。拉致被害者横田めぐみさんの母・早紀江さんは「粘り強く対応してほしい」と話したという。

拉致被害者家族会代表の飯塚繁雄さん(76)は19日夕、東京・永田町の内閣府で面会した山谷えり子拉致問題担当相らに訴えた。飯塚さんらは政府関係者から、北朝鮮との交渉の進捗(しんちょく)状況について説明を受けた。家族からの質問は面会予定の1時間を超えて続いたが、伊原純一・外務省アジア大洋州局長は「迅速な調査と報告を北朝鮮側に求めていく」という回答に終始したという。(中略)

飯塚さんは「1年もかかるのか。北朝鮮の報告の仕方は不誠実。政府はそれを乗り越えて確実な報告が取れるようにやってほしい」と求めた。

「何らかの報告が出ると思った。がっかりしている」。横田めぐみさんの母・早紀江さん(78)は落胆の色を隠さなかった。面会では「北朝鮮が死亡したと説明する(めぐみさんら政府認定の拉致被害者)8人について説明をしてほしい」と求めたが、伊原氏から明確な回答はなかったという。「難しいと思います。でも、粘り強く対応してほしい」と話した。

(朝日新聞デジタル『先送り、家族会失望 「毅然と対応を」 北朝鮮の拉致再調査報告』より 2014/09/20 05:00)

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