危険な地帯に渡航させないために、国がパスポートを取り上げるのは是か非か。シリアへの渡航を計画したとしてパスポートを外務省に強制返納させられた新潟市のフリーカメラマン杉本祐一さんを巡って、2月9日も議論が続いた。
杉本さんは朝日新聞デジタルの取材に対し、「逮捕もありうる」と言われて返納に応じたことを明らかにした。
部屋の中で20分ほど、「渡航をやめてもらいたい」「行きます」との押し問答が続いた。外務省旅券課の男性事務官が、A4用紙2枚の返納命令書の読み上げを始めた。法律の本から旅券法の条文を示し、「この条文によって強制返納となります」と通告してきた。
事務官は「応じなければ逮捕もありうる」と告げた。杉本さんは「少なくとも3度は聞いた」。活動を支援してくれた人や母親の顔が浮かび、返納に応じた。
(突然の連絡・自宅前に男… 旅券返納の写真家、経緯語る:朝日新聞デジタルより 2015/02/09 11:40)
菅官房長官は9日午前の記者会見で「情報統制にあたらないか」と問われ「ギリギリの慎重な検討を行って判断した」と反論した。
政府は憲法が保障する報道の自由、取材の自由は最大限尊重されるべき。これは大前提。その一方で、海外に渡航・在留する法人の安全を確保することも極めて重要な役割と思っています。そうしたことを前提に、政府はギリギリの慎重な検討を行って判断したということです。
ーー個別に判断するのか。当然そうです。
元NHKの池田信夫氏は「BBCやCNNを見れば十分」とツイートした。
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これに対し、フリージャーナリストらでつくる「アジアプレス」の石丸次郎氏は「明らかな言論活動への侵害」と憤った。
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