アメリカでは毎日73万人が刑務所に入る 受刑者の数を減らす取り組みとは

刑務所の囚人数が多すぎて、社会が負担する費用が膨れ上がっていることが問題になっているアメリカ。独自の取り組みを始めた刑務所もあり、成果をあげている。
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アメリカでは、刑務所の囚人数多すぎて社会が負担する費用が膨れ上がっていることが、長年の問題になっている

司法制度改革に取り組むNPO「ヴェラ司法研究所」のレポートによると、新たに刑務所に入れられる人の数は1日平均約73万1000人にのぼるという。また、司法省のデータによれば、現在刑務所に収監されている成人受刑者は約220万人だ。

いっこうに減らない受刑者数を減らすために、支援金を投じて活動を始めた団体もある。

たとえば慈善基金団体の「マッカーサー基金」は、アメリカの20カ所の刑務所にそれぞれ15万ドルの助成金を提供することを5月に発表した。

マッカーサー基金は、この助成金を使って受刑者の数を減らす方法を考えるよう各刑務所に求めている。対象になる受刑者は、非暴力の犯罪や、貧困や精神疾患が理由で罪を犯した人たちが中心だ。2016年には、20カ所の中から10カ所が選ばれて、計画を実行するための追加資金が与えられることになっている。

マッカーサー基金のジュリア・スタッシュ代表は「アメリカは長年にわたって、不必要に多くの人を投獄し、多くの公費を使っているにも関わらず、社会を安全にすることができていません」と現状への不満を口にしている。

また、独自の取り組みをして成果をあげている刑務所もある。マサチューセッツ州ラドローにあるハンプデン郡刑務所もその一つだ。

ハンプデン郡刑務所は、受刑者を保護観察への切り替えたり、社会復帰のための取り組みの予算を増やしたりすることで、2008年から2014年の間に、受刑者の数を30%(634人)減らすことに成功した、とヴェラ司法研究所のレポートは伝えている。

特に社会復帰の取り組みは、2000年以降再犯率を25%も下げているが、その中心となっているのが1996年に作られたコミュニティセンターだ。

このコミュニティセンターは出所を間近に控えた受刑者と地域をつなぎ、出所者が社会復帰するための手助けをする場所だ。

2006年には再犯率の高い受刑者のための取り組みをスタートし、翌年の2007年には出所を目前にした受刑者と、出所したばかりの人たちを対象にした社会復帰支援を始めている。

またそれ以外にも、雇用や住居確保の支援、個々の案件の対応、地域の支援グループや指導プログラムの紹介など、コミュニティセンターの取り組みは多岐にわたる。

受刑者の数を減らして施設の閉鎖や規模の縮小し、職員の数を減らした結果、ハンプデン郡刑務所は運営費用を1600万ドルも削減したという。

日本でも、受刑者の高齢化や、再犯を繰り返して刑務所に戻ってくる受刑者が問題になっている。受刑者を減らすためのアメリカの取り組みは、今後日本にとっても参考になりそうだ。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

[日本語版:水書健司/ガリレオ]

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