財政危機にあるギリシャでは、銀行からの資金流出を防ぐために6月29日から銀行の窓口を閉鎖し、ATMから引き出せる額を1日60ユーロ(約8000円)に制限している。
銀行の窓口を閉鎖したことで窮地に立たされたのが、多くの高齢者たちだ。彼らの多くがキャッシュカードを持っていなかったため、年金を引き出せなくなってしまった。
そこでギリシャの銀行は、7月1日に1日だけ年金受給者のみを対象に営業を再開して、120ユーロ(約1万6000円)を1度だけ引き出せるようにした。
だが、その後銀行は閉鎖したままで、年金受給者が次にいつ現金を引き出せるのかはまだ分からない。年金で暮らす高齢者たちはわずか120ユーロで2週間近く生き延び、ギリギリの生活を余儀なくされている。
BBCによると、ギリシャは2008年のリーマンショックの時にも、約260万人いる年金生活者たちに財政削減の余波が及んでいる。ギリシャの1カ月当たりの平均年金支給額は、2009年時点で1350ユーロ(約18万円)だったが、2015年は833ユーロ(約11万円)に減った。
また失業率が25%に上がったため年金受給者が家族を養わなければならないケースも増えており、ますます生活は苦しくなっている。
1日60ユーロで暮らすのも大変なのに、2週間120ユーロの生活はかなり厳しい。電気代を払うか医療費を払うかという苦渋の決断を迫られる人も多い。
120ユーロで2週間生活することがどんなに大変かを実感するため、ハフポストUS版はアテネで2週間暮らすのに必要な生活費を調べた。
アテネ市内の家賃が安い地域にある小さなアパート1部屋
€90(約1万2000円)
(Daniel Ochoa de Olza/AP)
小さなアパート1部屋分の電気代
€25(約3400円)
(Sakis Mitrolidis/AFP/Getty Images)
携帯電話の基本料金
€15(約2000円)
公共交通機関の乗車料金
現在は無料*
(Louisa Gouliamaki/AFP/Getty Images)
標準サイズの鎮痛剤2箱
€8(約1100円)
(Louisa Gouliamaki/AFP/Getty Images)
基本的な食料品(牛乳、パン、果物、野菜、穀物)
€72(約9600円)
2015年7月4日に撮影 (Aris Messinis/AFP/Getty Images)
ニワトリ2羽
€6.5(約870円)
(Louisa Gouliamaki/AFP/Getty Images)
コーヒーショップで飲むギリシャ風コーヒー
€2(約270円)
(Emilio Morenatti/AP)
格安のワイン1本
€1.5(約200円)
(Thanassis Stavrakis/AP)
生活費の合計額:220ユーロ(約2万9000円)
年金受給者は生活費が100ユーロ(約1万3000円)足りない。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
[日本語版:遠藤康子/ガリレオ]
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