上の動画(字幕あり)では、子供たちが、同性カップルによるサプライズのプロポーズ動画を観て、その後、同性婚をめぐる質問に答えている様子が紹介されている。アメリカで2013年に公開されたものだ。
同性カップルのプロポーズを観た子供たちは、「すてき」「男が男に?」「おめでとう」など様々な感想を口にした。初めて同性カップルの存在を知った子供もいたようだ。
多くの子供たちは「本当の理由なんてないんだよ。同性愛者を嫌う正当な理由なんて」「子供を望む人、望まない人がいる。何も変わらない」「宗教は関係を持つ人を決めるものじゃない」などと多様な生きかたを受け入れる姿勢を見せた。同性カップルに理解を示さない子供もいたが、理由はうまく答えられなかった。
以下に、質問と回答の一部を紹介する。子供たちの声に、耳を傾けてみよう。
■同性愛ってわかる?
「愛しい人」
「同じ性別の人が好きなこと」
■異性愛の人と同性愛の人がいるのはなぜだろう?
「なんでだろう?」
「僕の親友だって男だ。それと同じだよ」
「同性愛はアブノーマルと見られがちだけど、生まれつきなんだ」
「生まれつき」
「同性愛者に生まれるんだ」
「わかんないよ。知らないことが多すぎて」
「僕はそうじゃない。(そう生まれる人もいる?)中にはね」
■同性愛は選択であり、修正できると主張する人も。
「そうかもしれないけど……その人が好きなら一緒にいるべきよ」
「そういう話には腹が立つ。好きなものは変えられない」
「他人に指図はできない。人の好みは指図しちゃいけない」
■同性婚をどう思う?
「どうでもいい」
「私にはそれ自体が新鮮で」
「初めて聞いたときは驚いたけど、愛し合ってるなら一緒にいるべきよ」
「誰か一人ができることは、全員ができるべき」
「すばらしい。同性愛者の友達もいるし」
「たとえ世間でどうであろうと、普通の結婚とわけて考える必要はないわ」
■同性婚に反対の人に言いたいことは?
「他にやりたいことを探そう」
「考えかたを変えてみよう。何もおかしい所はない」
「もし同性愛者しか結婚できなかったら、困るだろ? じゃあなぜ?」
「思うのは勝手だけど、それを法律に持ち込むなよ」
「君の考えなんて、誰も気にしない」
■君の友達が同性愛者だとわかったら友達続ける?
「ノー」
「友達は続けるけど、いくつか質問すると思う」
「その人への見方は変わるけど、友達でい続けると思う」
「友達なら友達だ」
「もっと好きになる」
「その人は変わらない。その人が明らかになるんだ」
「去年、私の親友がカミングアウトしたの。3年生からずっと親友だよ」
「友達を続ける。同性愛者のふるまいって実際は他と変わらない。そうと知らなければ普通に見える」
■同性愛に反対の意見も見てみよう。自然に反するという意見。「男女でないと子供ができないから」これは正当な主張?
「そんなの理由にならない。子供を望む人、望まない人がいる。何も変わらない」
「養子がある!」
■もうひとつ。主な宗教の聖典には、必ず反同性愛ととれる記述がある。信仰するために同性愛に反対する人をどう思う?
「私はクリスチャンだけど、何とも思わないよ?」
「もう21世紀だよ。時代が違うんだ」
「宗教は関係を持つ相手を決めるものじゃない」
「信仰に従って行動する人は多い。信仰を理由に同性愛を反対したら、他人を排除するために宗教を使うことになる」
■同性婚は認めないが結婚を同等の権利を認める州もある(2013年当時)。それは十分?
「結婚できたほうがいいと思うけど、何もないよりはマシね」
「“何でもできるよ、結婚以外はね”それが欲しいのに」
「同じ権利なのに何が不満なんだ、というのもわかるけど、人生の一大イベントを奪われてるのに変わりはない」
「同性愛者は同居していいけど、結婚は異性愛者だけ。理屈に合わない」
■同性愛を公表して厳しい状況にいる人や、まだ怖くていえない人たちに言いたいことは?
「他人がどう言うかではなく、自分がどう思うか考えよう」
「君を受け入れない人は、友達じゃない」
「私は応援する。カッコいいよ」
「私は友達だよ!」
「あなたの性的指向を支えてくれる人たちが必ずいる。必ずよくなる」
「そのうち……気にしなくてもいい日が来るかもしれない。そしたら自分をとても誇りに思えるはず」
■君が大きくなった頃、同性婚はどこでも可能になっていると思う?
「うん」
「そう思う」
「そうなるべき」
「ノーノーノー」
「わからない。人は勝手なもの」
「もう世界中、あらゆる惑星で……合法になると思うよ」
■平等の権利がこれほど重要なのはなぜ?
「人間はみんな人間で、平等に扱われるべきだから」
「みんな公平で、怒りや悲しみを生まないため」
「トイレが黒人用と白人用と分かれてたことを思い出して。これも同じこと。人の持つ権力に優劣なんてない」
「考えてみれば人種差別主義者も面白いよね。彼らに“眼の色が違うから私たちは異人種ね”と言ったら、“それは話が別だ”と言われるでしょう。同じことだよ」
「人々が考えていることを思うと、今は本当に大事な時期ね。たとえ他人の権利でも、私はそのために闘うわ」
……
アメリカの連邦最高裁判所は6月26日、同性婚を憲法上の権利として認める判決を下した。これによって、アメリカで同性婚が合法化された。
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