クリスティアン・カロロさんは、時の旅人だ。
3年前の2012年、アメリカ・フィラデルフィアで活動する写真家が、祖父の旅行写真が入った箱を見つけた。その中には、まさに翌週訪れる予定だったオレゴン海岸の写真もあった。
「祖父が撮影した写真を、30年後に同じ場所で再現することはできるだろうか」と、カロロさんはブログに投稿した。
結局、彼は昔の写真を再現した。そしてカロロは――今なお写真を撮り続けている。カリフォルニア州立公園から東海岸沿岸部まで、アメリカ中を旅して、1970〜80年代に祖父が撮影した場所と同じところで写真を撮っている。カロロは、祖母の写真と、細かく記された祖母の旅行日記を照らし合わせながら、その場所を見つけ出す。何の報酬にもならないが、その写真には見る人を惹きつける。
もちろん、30年以上の歳月を経てカロロさんが訪れたときには、全く様子が変わってしまった場所もある。しかし驚くべきことに、多くの場所は少しも変わっていなかった――。
まだ祖父の箱には、旅の写真が残っている。祖父のアメリカ旅行の写真は、まだ全て撮り終えていない。中にはアメリカ以外の国の写真もある。カロロさんは、箱に残った写真を減らすため、秋に旅行することを計画している。
カロロさんの祖父は、彼がこの写真プロジェクトをはじめた後に亡くなってしまった。祖母は「家族の旅行への愛を、孫のカロロが引き継いでくれることを誇りに思う」と話している。
「祖母が、僕のやっていることを見て、本当に嬉しいと言ってくれました」とカロロがハフポストUS版に話した。「この言葉が聞けて本当に良かったです」
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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