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2015年10月18日 21時45分 JST | 更新 2015年10月18日 21時53分 JST

レバノンのシリア人難民少女の24%は、18歳までに強制結婚させられる

少女たちを望まぬ結婚から救うカギは「教育」だ。

LAURA AGGIO CALDON/UNICEF

シリアの子供たちは新たな”失われた世代”になるおそれがあり、この問題は、驚異的な率で結婚を強いられている少女たちの間で、特に大きな関心事となっている。

レバノンの聖ヨゼフ大学の研究によると、レバノンのシリア人難民の少女の24パーセントは、18歳になるまでに結婚している。貧困に陥った親たちは、娘に夫を見つける以外に選択肢がないことが多く、たとえそのような手段に頼ることが、娘をひどく健康上危険な目にあわせることになろうとも、また彼女らに教育や経済的な機会を否定することになっても、そうする以外にないことが多い。

LAURA AGGIO CALDON/UNICEF

ベッカー高原のジェブ・ジャニーンの住居に彼女の27歳の夫と一緒に座る13歳のノアさん。ノアさんとその家族は、シリアのラッカ県からの難民だが、4年前に故郷から逃げてきた。

13歳のノアさんも、他に方法がないと考えた親に手放された娘の一人だ。

この女の子の家族は4年前にシリアから逃れ、ノアさんは今27歳の夫とレバノンのべッカー高原に住んでいる。ユニセフ(国連児童基金)によると、彼女は9カ月前に結婚し、結婚式まで二人は会ったこともなかった。

「戦争がなかったら、こんなに若い年で娘を結婚させるなんてしなかったでしょう、でも今は経済的な問題のため彼女を養うことができないんです」と、ノアさんの親はユニセフに話した。

CNNによると、レバノンは110万人のシリア難民を受け入れ、住民に対する難民の割合が最も高い国になっている。

紛争地域から逃れることはできたものの、難民の家族には子供を十分に食べさせるだけの蓄えがなく、結婚強要という決断につながっている。

LAURA AGGIO CALDON/UNICEF

17歳のシリア難民サミラさん。ベッカー高原、ラウダにある避難所のテントの中で7カ月の男の子に授乳している。

こうした苦闘する家族にとって、児童婚は”手っ取り早い解決策”だと思われるかもしれない。しかし児童婚には長期的な危険が伴う。

WHO(世界保健機関)によると、幼くして結婚する少女たちは、成人になって結婚する女性たちよりも、親密なパートナーからの暴力や性的虐待を受けやすい

妊娠や出産に関係する合併症も、15歳から19歳までの少女の主な死因の一つなっている。

しかし、これまで直面してきた紛争の恐ろしさを考えると、そうした危険はそれなりに仕方のないことだと考える少女もいる。

ユニセフによると、14歳のサミラさんはIS(イスラム国)の戦闘員に誘拐されたが、両親の助けでレバノンへなんとか逃れた。彼女は1年半前に結婚し、今はベッカー高原の避難所で夫と赤ん坊の男の子とともに暮らしている。

LAURA AGGIO CALDON/UNICEF

ベッカー高原のテント小屋の中で幼い男の子を抱く14歳のシリア難民アミナさん。

問題は、未成年者の結婚を抑止するのに重要だと証明されている"あるもの"が、レバノンに本質的に欠けていることだ。

非利益団体ガールズ・ノット・ブライズによると、中等教育へと進む少女たちは、教育をあまり受けていない少女たちよりも、未成年で結婚する見込みが6倍ほど少ない。

レバノンには学齢に達したシリア人の子供が約50万人いる。しかしロイターによれば、そのうち正規の教育に登録されているのはわずか5分の1程度だ。

アミナさんの例が典型的だ。

アミナさんは、自らの意志に反して2年前に結婚させられ、今は男の子が2人いる。選択肢を与えられていたら、勉強を続けるほうを選んだでしょう、と彼女はユニセフに話した。

LAURA AGGIO CALDON/UNICEF

ベッカー高原のラウダのテント小屋の中に立つ14歳のシリア難民ヘネド・アル・アフマドさん。ヘネドさんは、1年半前に結婚し、今は未亡人だ。故郷で結婚して6カ月後に夫を亡くし、その時妊娠していたが、後に流産した。痛みと恐怖に耐えられなかったためだと彼女はいう。

しかし、この国は難民への教育の機会を増やそうとしている。

レバノン教育省は9月、2015年の新たなキャンペーンとして、20万人のシリア人難民の子供たちに無料の教育を提供すると発表した。ロイターによると、「バック・トゥ・スクール("学校へ戻ろう”)キャンペーン」と呼ばれるこの取り組みは、世界各国の支援団体から約112億円もの援助を得たという。

少女たちが結婚で可能性を閉ざされないように啓蒙するプログラムが数多く用意されている。そして、多くの少女たちが強制結婚に対抗できるようになった。

シリアで学校に通っていた13歳のワードさんは、父親から8カ月に、見知らぬ男性と強制結婚させられた。ワードさんは、離婚して、家族を支えるため、日給6000レバノンポンド(約475円)の農作業で働きたいと願っている。

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ベッカー高原のテント小屋に立つ13歳のシリア人難民ワードさん。約8カ月前、彼女の父親は、彼女に知らない男性との結婚を強要した。ワードさんは離婚を望んでいる。

ユニセフは、未成年者の結婚に伴う危険について、指導者たちを教育したり、自分の権利のために立ち上がるよう少女たちを啓蒙するプログロムを展開している。

同団体は宗教的指導者らとともに、未成年者の結婚をはじめとする暴力と戦ってきた。また、若い妻たちが直面する特有の問題を明らかにし対処するヘルス・ワーカーの訓練も行っている。

ユニセフは、児童婚の危険にある少女に、心理的サポートもしている。これは安全で柔軟なプログラムを通じて提供される。このプログラムは、少女たちが連絡できる安全なネットワーク作りに役立っている。

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ベッカー高原のジェブ・ジャニーンのテント小屋の中に母親と一緒に座る14歳のスマヤさん。スマヤさんは結婚を拒み、母親は無理強いはしまいと決めた。

中には、家族内に理解者がいる幸運なケースもある。

14歳のスマヤさんは、家族が結婚の話を持ち出した時、勇気を出して拒否した。その結果、母親は彼女に結婚を強要しなかったという。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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