[ワシントン 21日 ロイター] - バイデン米副大統領(72)は21日、2016年米大統領選に出馬しないとの意向を表明した。有力候補になるとみられていたバイデン氏の不出馬により、民主党の候補者指名争いではヒラリー・クリントン前国務長官が抜きんでることになる。
バイデン氏はホワイトハウスのローズガーデンで妻とオバマ大統領を伴って記者会見し、選挙運動を開始するための窓は閉じられたと述べた。
一方、「出馬はしないが、黙っているわけではない」とし、民主党候補を支援していく方針を鮮明にした。
その上で「共和党を敵とみなすべきではないと思う。共和党は対立する野党であり、敵ではない」と指摘。クリントン氏が先週のテレビ討論会で、敵とみなす対象として共和党を挙げたことなどをやんわりとけん制した。
クリントン氏の広報担当者によると、バイデン氏の記者会見後にクリントン氏はバイデン氏と電話で話し、「偉大な副大統領」とたたえたほか、引き続き政治の第一線で活躍することへの期待を示したという。
民主党の候補者指名争いをめぐっては、これでクリントン氏の主要な対立候補は民主社会主義者を名乗るバーニー・サンダース上院議員となるが、サンダース氏には支持の広がりはみられない。
民主党のストラテジスト、バド・ジャクソン氏は「ヒラリー・クリントン氏にとっては楽な道のりとなった。大半の世論調査では、バイデン氏がいなければ彼女が一段と有利になることを示している」と述べた。
ただ、バイデン氏の支持者がそのままクリントン氏支持に回るとは限らない。ロイターが接触したバイデン氏支持者27人のうち、15人はクリントン氏を支持するかどうかは分からないと話した。
ダニエル・アルパート氏は、クリントン氏とサンダース氏のどちらを支持するか悩んでいると心情を吐露。クリントン氏の政策は明確性が不十分としたほか、サンダース氏が本選でどれだけうまく戦えるのか見極めたいと話した。
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