MRJ、初飛行を2週間延期 開発スケジュール5回目の遅延

部品の取り寄せに時間がかかり、改修後に動作を確かめる必要もあることから、約2週間の遅れを見込んだ。

MRJ初飛行、ペダル改修で2週間遅れ 日程延期5度目

国産初のジェット旅客機「MRJ」を開発する三菱航空機と親会社の三菱重工業は23日、愛知県営名古屋空港(同県豊山町)で26~30日に予定していた初の試験飛行を約2週間遅らせ、11月9日の週に実施すると発表した。コックピット内のペダルの改修が必要になったため、としている。開発スケジュールの延期は5度目となる。

三菱重工によると、初飛行に向けて走行試験などを進める中で、方向舵(だ)を操作するペダルの構造に問題が見つかり、部品交換が必要という。部品の取り寄せに時間がかかり、改修後に動作を確かめる必要もあることから、約2週間の遅れを見込んだ。「安全最優先で延期を判断した」(広報)としている。

ただし、全日本空輸に最初の機体を引き渡す時期は、2017年4~6月の予定を変えない。同社広報は「先延ばしになったことは残念だが、万全な準備の上で初飛行を実施していただくことを願っている」と理解を示す。

それでも度重なる遅れで、営業面の影響は否定できない。MRJは、日米などの6社から計407機の受注を得ているが、このうち半数近くはキャンセルが可能な契約。航空機業界に詳しい産業アナリストの杉山勝彦氏は、「キャンセルにつながるとは考えにくいが、初飛行は大事なイベントで、今後売り込みをかける航空会社への印象が悪化しかねない」と指摘する。(井上亮)

(朝日新聞デジタル 2015/10/23 19:27)

(朝日新聞社提供)

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