【TSUTAYA図書館】山口県周南市に住民投票を請求へ 8737人の署名

市民団体側は市長に対し、TSUTAYA図書館計画の是非を問う住民投票の条例制定を請求する。
猪谷千香

山口県周南市が、レンタル大手「TSUTAYA」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と進めている図書館の新設について、同市選挙管理委員会は1月11日、市民団体から提出されていた計画の是非を問う住民投票の実施を求める署名の有効数が、8737人だったと発表した。有効署名が有権者数の50分の1(2425人)を超えていることから、市民団体側は市長に対し、計画の是非を問う住民投票の条例制定を請求する。

この図書館をめぐっては、現在のJR徳山駅ビルの建て替えにともない、市が2018年度の開館を目標に、中核施設として建設を計画した

一方、佐賀県武雄市などのCCCが関わる図書館での選書問題などを受け、市民団体が反対。周南市にはすでに市立図書館が5館あり、TSUTAYA図書館の建設が予定される駅ビルから、わずか800メートルしか離れていない場所には中央図書館がある。市民団体の代表は「図書館の図書費を増額するべきで、行政の無駄な投資になるのでは」などと懸念していた。

これに対して市側は、「新図書館は、中心市街地活性化の核施設」「年中無休で、夜遅くまで開いているので、いつでも利用でき、いつでも本に出会える」「機能や役割が異なる2つの図書館が近くにあることで双方の利用が増えたり、新しい人の流れができたりと相乗効果が期待できます」などと、新設するメリットを主張していた

今後、12日〜18日まで7日間の閲覧期間を経て、異議申し立てがなければ、市民団体が市長に条例の審議を直接請求。その後、市議会が住民投票実施の条例案を審議する。

なお、TSUTAYA図書館の建設が予定されていた愛知県小牧市では2015年10月、住民投票で建設反対が過半数となったことを受けて、計画を白紙撤回した

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海老名市立中央図書館

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