2015年は観測史上、ケタ違いに暑い1年だった

2015年は136年の観測史上で地球が最も暑い1年だった。アメリカ航空宇宙局(NASA)とアメリカ海洋大気庁(NOAA)が1月20日に発表した。

2015年5月、インドのニューデリーで厳しい熱波の最中に顔の汗をぬぐう男性

2015年は136年の観測史上で地球が最も暑い1年だった。アメリカ航空宇宙局(NASA)とアメリカ海洋大気庁(NOAA)が1月20日に発表した。

この2つの機関は、2015年が記録破りになったとの個別の分析結果を発表し、一致した。NASAは2015年が19世紀末よりも摂氏1度高かったと発表。一方、NOAAは2015年が20世紀の平均よりも気温が0.9度高かったことを明らかにした。

NASAは「2015年の世界的な平均気温は、2014年に記録した値を0.13度上回った」と指摘、「かつてたった一度だけ、1988年の新記録がこれほどの上昇幅で過去の記録を上回っていた」と報告した。

これまでの最も暑い年だった2014年は世界的な平均気温が14.6度だった。これはすでに20世紀の平均気温を0.69度上回っていた。

「気候変動は私たちの世代の課題。この重大な問題でのNASAの不可欠な任務は地球上の全ての人に影響を与える」。NASAのチャールズ・ボールデン長官は発表文の中で述べた。「今日の発表は、NASAの地球観測プログラムがいかに重大かだけではなく、政策立案者に立ち上がって注目してもらうべき重要なデータの要点を浮き彫りにしている。今が気候に関して行動を起こす時だ」

世界気象機関は11月、2015年の熱波が人が原因である地球規模の温暖化と、冬の厳しいエルニーニョの両方からもたらされた可能性があると述べた。世界気象機関は、2015年の北半球での温室効果ガスの記録的な水準の高さも指摘した。

20日の声明は、独立研究機関バークリー・アースが先週発表した、「(2015年は)疑いも無く観測史上最も暑い年」と呼ばれる研究結果で裏付けられている。

「この最高気温の記録は、気温上昇の一服が一時的なもので、地球温暖化が緩和されていないという私たちの従前からの見解を裏付けるものだ」。バークリー・アースの科学主任ディレクターのリチャード・マラー氏は声明の中でこう述べた。(この「一服」は2014年以前の10数年間、地球の気温が基本的に一定に保たれていたことを示す)。

「温室効果ガスの排出が原因の数十年に渡る気温上昇は明らかに今も続いている」。バークリー・アース研究のチーフサイエンティストであるロバート・ローデ氏はこう述べた。

民主党上院議員で大統領候補のバーニー・サンダース氏(バーモント州選出)は化石燃料から脱却する運動を促すために、この報道を利用した。

「議論は終わりだ」。サンダース氏はこう述べた。「過去16年間のうち14年間、史上最高の暑さを記録してきた。気候変動は本物で、人間の活動が原因で起きている。この惑星と人類は困難に直面している。私たちが共に行動しない限り、数年のうちにもっと干ばつや洪水、異常気象など変動が起こるだろう」

2015年がこの惑星にとって記録破りであった一方、アメリカにとっては過去2番目に熱い年となった。NOAAは2016年1月初め、2015年の平均気温が摂氏 12.4度だったと発表した。これは20世紀の平均気温より1.3度高いが、2012年に記録した12.9度より0.5度低い。

専門家は2015年が過去100年で最も暑い年になるだろうと何カ月間も事前に予測していた。2015年10月が20世紀の平均気温を摂氏1度以上超えた最初の月となったことをNASAが報告した後、ゴダード宇宙科学研究所のギャビン・シュミット長官は「2015年が観測史上最も暑い年として輝く確率は、99.9%ある」とツイートした。

パキスタンのカラチでは多くの人が6月の熱波で亡くなり、人々は集団葬に参列した。

この厳しい暑さは地球全体で明白となった。インドでは5月、摂氏48.8度の日々が続き、ニューデリーのアスファルトが溶け、約2500人が亡くなって史上5番目の厳しい熱波となった。翌6月はパキスタンで45度を記録して少なくとも1200人が亡くなり、熱中症で6万5000人が病院に搬送された。

ヨーロッパでも6月、7月に最高気温が更新され、スペイン、ポルトガル、フランス、イギリス、ドイツ、ポーランドで3桁の気温が記録された。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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