内戦が続くシリアで2月27日午前0時(日本時間27日午前7時)、アメリカとロシアが主導で呼びかけた一時停戦が発効した。NHKなどが報じた。
米ロが呼びかけた停戦は、アサド政権と反体制派の双方に対し、空爆を含むすべての攻撃を停止し、内戦の政治的解決を図るよう求めている。通告の期限までに、主要勢力は停戦に応じる意向を示し、合わせて97の反政府勢力が停戦を受け入れる意思を示した。
しかし、停戦の対象外とされた過激派組織「イスラム国」(IS)や国際テロ組織アルカイダ系「ヌスラ戦線」などは戦闘を続ける構えで、停戦が持続するか不透明だ。今のところ、停戦が破られたと非難する声明などは出ていないという。
■シリア国内の大部分で戦闘が沈静化
国連のデミストゥラ・シリア担当特使は、スイス・ジュネーブの国連欧州本部で会見を行い、停戦発効後のシリア国内の状態について、「シリア南部やダマスカス郊外が突如、平穏になった。1件だけ停戦違反が疑われるケースがあり、調査している」と説明した。
朝日新聞によれば、アサド政権軍、反体制派、ISによる三つどもえの激戦が続いていたシリア第2の都市、北部アレッポでも砲撃音が止まったという。在イギリスの反体制派NGO「シリア人権監視団」も、国内の大部分で戦闘が沈静化したと報告した。
ただ、デミストゥラ氏は停戦違反について「高い確率で起きると予想している。すぐに管理下に置いて封じ込めるのが重要だ」と語った。
■今回の一時停戦は、和平協議に向けた“信頼の醸成措置”
今回の一時停戦は、政権と反体制派との和平協議に向けた信頼の醸成措置との意味合いが強い。和平協議を仲介する国連のデミストゥラ氏は、3月7日に協議を再開したい意向を表した。
2月26日のシリア国内、ダマスカスやアレッポの様子はこちら。
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